気象庁は3月2日、気象研究所(茨城県つくば市)で新スーパーコンピューターシステムが稼働を開始したと発表した。新システムは富士通が構築を手掛け、880ノードでピーク性能は2.81PFLOPSとなっている。
構築したスーパーコンピューターと屋外の外観(出典:気象庁)
新システムは、富士通製のPCサーバー「FUJITSU Server PRIMERGY CX2550 M5」880台を高速のインターコネクト「Intel Omni-Path Architecture」で並列接続する。総主記憶容量は242TB。並列ファイルシステムは容量が16.5PB、バンド幅は300GB/秒となっている。
GPUなどのアクセラレーターは使わずCPUベースで構成され、幅広いアプリケーションを高性能かつ低消費電力で動作させることできるという。CPU冷却には水冷を採用しており、空冷に比べ少ない電力消費でサーバーからの発熱を抑えられるとする。
局地的豪雨や台風に伴う暴風・大雨の予測技術のイメージ(出典:富士通)
気象研究所のスーパーコンピューターは、局地的気象から全球規模の気候予測までを対象としたシミュレーションを行うモデルの研究開発で利用されている。気象庁は今後、新システムで高い解像度の精緻(ち)な数値予報モデルの開発、地球温暖化予測に関する研究に加え、地震・津波・火山分野での解析・予測技術の研究などの研究開発を推進していくとしている。