アイ・ティ・アール(ITR)は3月3日、国内のCASB(Cloud Access Security Broker)市場予測を発表した。2018年度の売上金額は前年度比76.9%増の11億5000万円。クラウドサービス利用企業の増加に伴い、可視化、ガバナンスやシャドーIT対策、企業が許可する“サンクションIT”の管理などを目的に導入が急拡大しているという。
CASBは、ユーザー企業と複数のパブリッククラウドサービスの間で単一のコントロールポイントを設定し、各サービスの安全性の確認、利用状況の可視化、保護や制御などを提供する製品やサービス。
データの暗号化、認証強化、情報漏洩対策など、安全にクラウドサービスを利用できるソリューションとしての需要が増加。参入ベンダーも増え、2019年度の売上金額を93.0%増と予測。“非常に高く伸びる”としていた前年度の予測をさらに上方修正している。
ITR コンサルティング・フェローの藤俊満氏は、「社内システムのクラウド環境への移行、クラウドサービスへの切り替えに伴い、クラウド利用が急激に増加している。クラウドサービスは安価かつ簡単に利用できる一方、シャドーIT対策やサンクションITのコントロールが必要。CASBは、次世代セキュリティ対策の中心となるサービスであり、今後も市場は拡大していく」とコメントしている。
2017~2023年度のCASB市場規模推移および予測(出典:ITR)