QUICK、企業開示書類の解析業務自動化に「ディベート型AI」を採用

NO BUDGET

2020-03-04 10:28

 QUICKは、企業開示書類の解析業務に日立製作所の「ディベート型AI」を採用した。

 QUICKは、情報配信サービスを手掛ける企業で、有価証券報告書など、金融商品取引法に基づき企業に義務付けられるさまざまな開示書類から必要情報を抽出し、最新情報に更新する業務に工数を費やしている。今回採用したAI(人工知能)は、文章の論理的な解析を可能とする日立独自の自然言語処理技術をベースにしたもので、1件当たり100ページに及ぶこともある膨大な開示書類を解読し、必要情報の自動抽出が可能となる。

 今後、AI適用に向けてシステム化を進め、2020年5月から投資信託の有価証券届出書と株式の有価証券報告書を対象に本格的に適用を開始し、その後、債券発行登録追補書類など適用する対象書類を、順次拡大していく。

システムの概要図(出典:日立製作所)
システムの概要図(出典:日立製作所)

 今回適用する日立のAIは、賛否が分かれる議題に対して大量のテキストデータを解析し、賛成・反対の根拠や理由を提示する「ディベート型AI」のコア技術として開発してきたもの。日本語の文法構造に基づいて単語間の関係性を抽出する「関係抽出技術」と、表構造の自動認識を可能にする「表構造解析技術」で構成されている。開示書類の中から「決算日」や「基準価格」といった約130項目の該当情報を抜き出し、データベースに登録するまでの一連の作業を自動化する。

 例えば、「決算日」に相当する情報を抽出する場合、同技術を使うことで文章の文法構造や表の構造から目的の情報であるか否かを判定することが可能になるため、人間が文章を読んで理解した上で対象データを抽出する業務に適している。

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