ロボティックプロセスオートメーション(RPA)ソフトウェアを提供するオートメーション・エニウェア・ジャパンは3月10日、RPAプラットフォーム「Automation Anywhere Enterprise A2019」(AAE A2019)に、業務アプリケーションを用いた作業プロセスを分析し、RPAでのプロセスを自動化、最適化するとともにロボット(Bot)の開発を支援する「Automation Anywhere Discovery Bot」を順次展開することを明らかにした。価格や提供時期は現時点で未定。
AAE A2019のクラウド版は1月から国内データセンターから提供を開始しているため、Discovery Botも同様に国内データセンター経由での利用が見込まれる。米本社 アジア日本地域担当エグゼクティブバイスプレジデント Adrian Jones氏は自社ソリューション全体を指して、「自動化できない業務プロセスはない」と抱負を語った。
Automation Anyware アジア太平洋日本地域担当エグゼクティブバイスプレジデント Adrian Jones氏
オートメーション・エニウェア・ジャパン セールスエンジニア本部 本部長 由井希佳氏
IDCが2018年に発表した調査結果によれば、グローバルのRPA市場は2017年から2022年にかけて49%増加の37億ドルまで拡大し、Gartnerも2019年に「2023年までには、新しく開発されるソフトウェアロボットの半分が自動的に生成される」と予測。だが、Automation Anywareは「これ以上の成長を遂げる」(Jones氏)と推察し、RPA導入業界がほぼ全業種に及んでいる現状を解説した。
RPAによる業務プロセスの自動化はすでに一段落し、現在は業務の棚卸しやヒアリングなどで明らかにならない部分を、テクノロジーで解決するプロセスマイニングツールが注目を集めている。日本法人 セールスエンジニア本部 本部長 由井希佳氏は「日本は自動化対象の見極めや発見方法に焦点を当てるが、欧州はロボット開発時間や工数を含めて削減したいというニーズがある」と説明した。
Discovery Botは、業務プロセスを改善するための定義や分析に利用される“プロセスディスカバリー”と呼ばれる技術をもとに開発。機械学習を活用して複数の業務アプリケーションを使用しながら進めるプロセス全体を記録して、繰り返されるプロセスのパターンを検出して分析する。
より具体的には、Discovery BotではRPAによる自動化に適合しない業務プロセスが顕在化した際、プロセス分析担当者(RPA管理者)は実際の業務を担当するユーザーに対して業務オペレーションのレコーディングを依頼。データレイクに格納した複数回もしくは複数人による業務オペレーション情報を統合してモデル化し、その結果をダッシュボードで可視化する。