進学塾を運営する早稲田アカデミー(豊島区、連結従業員数877人)は、「Windows 10」運用管理サービス「FlexWork Place Unifier Cast」、アプリケーションインストール管理ソフト「FlexWork Place AppSelf」を採用。首都圏162校、2300台の業務用PCで活用しているという。3月10日、開発、提供する横河レンタ・リース(新宿区)が発表した。
同社は2019年11月、Windows 10へリプレース完了。当初は「Windows Server Update Services(WSUS)」や導入済みのIT資産管理ツールのアップデート機能を使用することを考えていた。
だが、品質更新用のQuality Update(QU)、半期ごとのFeature Update(FU)など、Windows 10に発生する大型アップデート時のネットワーク過負荷、サーバーや各拠点を結ぶVPN接続のパンクを懸念していたという。
従業員には各PCの管理者権限を付与しておらず、Adobe ReaderなどMicrosoft以外のソフトウェアのインストール、アップデートも課題だったとしている。
アップデートデータを分散配信できるUnifier Castと、管理者がデジタル署名したソフトであれば管理者権限不要でインストール可能にするAppSelfを採用。採用後に実施したFUのアップデートは順調に進んだという。
※クリックすると拡大画像が見られます
Unifier Castのダッシュボードから配信状況や成功可否、ネットワークや各クライアントPCの状況なども確認できるとしている。
※クリックすると拡大画像が見られます
シャットダウンやログアウトで消去、オフライン時に保存先となる「RAMディスク」をメモリに作成する仮想デスクトップ環境(Virtual Desktop Infrastructure:VDI)構築ソフト「Flex Work Place Passage」もほぼ同タイミングで導入している。
成績をはじめとする生徒の個人情報、テスト問題などを扱うため、社内で使用するPCのデータは厳格に管理。社外とのメール送受信は一部従業員を除き制限し、社内メールはグループウェアのみとしていたという。
PC内のファイルはActive Directoryの管理下でフォルダーリダイレクト設定し、データセンター内に設置したファイルサーバーへすべてを保存。ダウンロードデータはPCのローカルディスクに残るもののデスクトップPCが標準のため、持ち出しは困難だったとしている。
2019年8月、新築オフィスビルへの本社移転に伴いフリーアドレス化。ノートPCへリプレースとなり、情報漏えいリスクが向上したという。
コスト面からVDIやシンクライアントでなく、Passageを1600人に一斉導入。セキュリティの確保、ワークスタイル変革に伴うペーパーレス化などを促進しているとしている。
※クリックすると拡大画像が見られます
FlexWork Placeは、製品、サービスごとで月額課金の「レンタルライセンス」、ライセンスを購入できる「パーマネントライセンス」のいずれか、もしくは両方が設定されている。
Unifier Castの税別価格は、デバイスごとのレンタルライセンスとして月額利用料200円。
AppSelfはレンタルライセンスの場合、デバイスごとで月額利用料200円。パーマネントライセンスではベース使用権として12万円、年間のベース使用権サポートサービスが2万2200円、デバイス使用権が4800円、年間のデバイス使用権サポートサービスが960円。
Passageはユーザーごとのレンタルライセンスが月額利用料780円。パーマネントライセンスでは、ベース使用権として37万4000円、年間のベース使用権サポートサービスが5万6400円、ユーザー使用権が1万2000円、年間のユーザー使用権サポートサービスが2040円。