社会福祉法人誠豊会(埼玉県川越市)の特別養護老人ホーム「ぽぷらの樹」では、職員が使用するPCやタブレットに顔認証を活用できるセキュリティソフト「FaceViTAL PCログオン」を導入。IT機器の操作が不慣れな職員でも手軽にログオンできているという。3月11日、提供する日立社会情報サービス(横浜市西区)が発表した。
近年の深刻な介護、看護人材の不足解消のため、ITの積極活用を検討。介護記録の紙から電子化への移行による業務効率化を目指したという。

活用の様子(出典:日立社会情報サービス)
IT機器の操作が不慣れな職員も多く、パスワードの紛失や失念など、PCやタブレットへのログオン自体がつまずきになりかねない状況だったと説明。入居者の個人情報保護などのセキュリティにも懸念があり、パスワードなしでも的確に本人認証できる仕組みが必要だったという。介護現場ではICカードの常時携帯が難しく、生体認証を検討。PC、タブレットなどのカメラを活用した顔認証に注目したとしている。
2019年9月からFaceViTALを試用し、カメラ性能が異なるPC、タブレット双方でのスムーズな認証を確認。最終的に6社の製品を検討、コスト面も考慮して採用に至ったという。
FaceViTALであれば簡単、瞬時にログオン可能で、職員のIT機器への抵抗感を払拭。楽しんでいる様子も見られ、IT活用の第一歩を踏み出せたとしている。

課題と効果(出典:日立社会情報サービス)
FaceViTALは、カメラからの入力画像、画像ファイルなどから顔の位置を特定する瞳の検出、そこから特徴情報を生成するテンプレート作成、テンプレートと比較して認証できるソフトウェア。国内大学の研究成果を元に開発されたという。

処理イメージ(出典:日立社会情報サービス)
サーバー不要でWindows、iOS、Androidに対応、1ライセンスの税別提供価格が7000円のPCログオンのほか、開発ライセンスとなるSDKも用意している。