情報処理推進機構(IPA)は、毎年インターネット利用者を対象にした「情報セキュリティの脅威に対する意識調査」を実施し、その結果からは興味深い動向が見てとれる。2019年12月に行われた最新調査の結果から、今回は回答者が経験した被害や実施している対策などをピックアップする。
この調査は、13歳以上でPCおよびスマートデバイス(スマートフォンやタブレット端末)のインターネット利用者を対象に、ウェブでアンケートを行い、それぞれ5000人の回答者の傾向を分析している。
過去1年に経験したトラブルや被害
PCやスマートデバイスのインターネット利用者が過去1年間に経験したセキュリティに関するトラブルで最も多いのは、「本文中のURLにアクセスするように促す不審なメールの受信」で、ともに3割を超えた。「添付ファイルを開くように促す不審なメールの受信」も約26%に上り、メールを悪用した脅威が目立っている。
PCインターネット利用者が過去1年間に経験したセキュリティに関するトラブル(当てはまるもの全て)より抜粋、出典:IPA
スマートデバイスのインターネット利用者が過去1年間に経験したセキュリティに関するトラブル(当てはまるもの全て)より抜粋、出典:IPA
一方、それ以外の項目については、総じて経験したという回答者がスマートデバイスよりPCの方が高い結果だった。「経験なし」「分からない」との回答は両者とも2割前後ある。
また、被害経験については両者とも半数以上が「経験なし」、2割以上が「分からない」と答えた。被害を経験した回答者は、スマートデバイスの利用者よりPCの利用者の方がやや高い傾向にあるものの、いずれの項目も10%未満であり、インターネット利用者がセキュリティ上の被害に気がつけていない可能性がうかがえる。
PCインターネット利用者が過去1年間に経験したセキュリティに関する被害(当てはまるもの全て)より抜粋、出典:IPA
スマートデバイスのインターネット利用者が過去1年間に経験したセキュリティに関する被害(当てはまるもの全て)より抜粋、出典:IPA