提供するグループウェアを通し、「チームワークあふれる社会を創る」という企業理念の達成を目指すサイボウズ。ありとあらゆる情報を共有することで、チームワークあふれる組織、社会を構築できるという。
青野氏は、メールやチャットといった相手を指定するツールは情報共有ではなく、情報“伝達”ツールであり、“ひそひそ話のようなもの”と表現。部署や担当ごとでの情報のサイロ化が促進され、権力差や対立、組織の壁や経済格差を生む“情報格差”につながるという。
「さまざまな情報システムを導入したがそれぞれで分断されているという自体が起こり、現場の力を生かせない。情報を持つ人間が強いという世界から脱却できない」(青野氏)
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目指すプロダクトは、オープンに情報共有できる一つのプラットフォームだ。「現在はごくごく一部のお客さまに、ごくごく一部のサービスしか提供できていない。データベースや文書ファイル、コミュニケーションなど、色々なシステムをとにかく載せられてオープンに共有できる、全員で見られるようなプラットフォームを目指す」(青野氏)
2018年5月から働き方を宣言制に移行、“100人100通りの働き方”を認めているように、アプリや機能そのものの強化よりも、シンプル、できるだけ低価格にこだわりつつ、さまざまなものを受け入れられるプラットフォームをパートナーとともに広げていくという。
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2020年1月6日からは、新設した「災害支援プログラム」の提供を開始。従来の大災害発生時の一部サービス無償提供を平時にも拡大した。また、サイボウズ社員有志によるボランティアで支援する「災害支援チーム」やパートナーと連携する「災害支援パートナー」、PC、プリンター、ネットワーク機器、ケーブル類といったソフト以外の機器も必要に応じて提供する「IT機器の緊急提供」なども追加している。
「災害対策は今後の日本の大きなテーマと捉えているが、ある日突然災害が起こった場合、ライセンスを無償提供されただけで使えるだろうか」(青野氏)。活用方法や環境などを含めて総合的に災害支援に取り組み、誰でもグループウェアを使える世界観を構築していく。