杉並電機は、ウイングアーク1stのBI(ビジネスインテリジェンス)ダッシュボード「MotionBoard」を導入、作業ログデータと生産計画データを可視化した。
杉並電機はスマートフォンやPCなど、さまざまなエレクトロニクス機器にとって欠かすことのできないコネクター用の端子を中心に、超精密金型の設計・製作から精密高速自動プレス機による部品加工まで一貫して手掛けている。
同社では、生産計画への大きな支障や納期遅延などのリスクの解決手段として、各プレス機からセンサーデータを収集することで稼働監視を行うことができるIoTの仕組みを導入したいと考え、収集したデータを可視化するツールとしてMotionBoardを採用した。
同社では、コネクター用の端子を月間億単位で生産しており、プレス機は全て自動運転で生産している。金型の付け替えや設定など1人の担当者が2〜4台のプレス機を受け持ち、生産ラインの異常停止や修理など予定外の対応に追われ、現場でのホウレンソウ(報告、連絡、相談)が、1日の作業の終わりになることもあった。
MotionBoardについて、同社では、自由度が高い画面設計で、生産計画と作業ログデータを統合し、ガントチャートに表示できることや、「異常-復旧」などの稼働履歴を含めた各プレス機の稼働状況を可視化できることを評価している。
生産現場の担当者は、「加工」「準備」「修理」「外観検査(通常時、材料交換時)」「測定」といった作業のイベントごとに、ウェブアプリ上で自分の名前を選び、「ボタンを押すだけ」の操作で、作業ログデータを入力できる。管理者は前日までの進ちょくを踏まえた生産計画を、Access上で毎朝更新する。これらの作業ログデータと生産計画データの必要な情報が、MotionBoardのガントチャートに集約されるため、その日の生産計画に対する進ちょくを判断し、采配を変更することが可能となった。これにより、必要な調整を臨機応変に打てるようになり、納期遅延などのリスクを大幅に削減できた。また現場担当者からもMotionBoardに何を表示したいかアイデアが出るようになり、社員全体で生産改善に取り組めるようになった。