東京海上日動火災保険とALBERTは、ドライブレコーダーで取得した映像などから人工知能(AI)が事故状況を再現し、自動車事故の責任割合を自動算出する新機能を開発した。迅速な事故解決や保険契約者への保険金の支払いなどに活用する。
両社は、損害保険領域でのビッグデータ分析やAIアルゴリズム開発、AIシステム実装とAI活用による業務効率化などで協業している。
今回の取り組みでは、東京海上日動が自動車保険の特約サービスとして契約者に貸与するドライブレコーダー端末での映像を利用する。車両に設置した端末が強い衝撃を検知した際、端末から自動的に事故対応を行うオペレーターへの連絡が行われ、録画された事故映像データが送信される。

取り組みのイメージ(出典:東京海上日動火災保険/ALBERT)
このデータのほか、端末の加速度センサーやGPSから得た情報を利用して事故状況をAIが解析し、事故状況を自動的に再現する。従来は事故状況の確認に1週間程度を要したが、この取り組みでデータの受信後5分程度で算出できるようになるという。
これにより、事故時に保険契約者が現場から保険会社に連絡したり状況説明をしたりする負担を軽減できる。また、事故に関する情報やAIが自動判定した責任割合などを速やかに確認できるようになり、迅速な事故解決や保険契約者への保険金の支払いなどにつながる。
なお、AIが自動判定する責任割合は、過去の判決事例などから算出した参考値となる。実際の保険金を支払いは同社が契約者と相談して行うとしている。東京海上日動によると、今回の取り組みの対象となる特約サービスの契約件数は、2019年12月時点で約36万5000件という。