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日本株展望

株価下落リスクを負わずに株主優待を得る方法--「つなぎ売り」を使って優待獲得

ZDNet Japan Staff

2020-03-24 10:28

 本記事は楽天証券が提供する「トウシル」の「TOP 3分でわかる!今日の投資戦略」からの転載です。

今日のポイント

  1. 株主優待制度とは
  2. 優待は欲しいが株価が下がるリスクを負いたくない
  3. 3月の「権利付き最終日」は27日、権利落ち日は30日
  4. 「つなぎ売り」を利用する際の注意

 これら4点について、楽天証券経済研究所長兼チーフストラテジストの窪田真之氏の見解を紹介する。

 今回は「優待ただ取り」と言われる手法について解説する。ネットで「優待ただ取り」と紹介されることが多いが、正確に言うと「株主優待を、低コスト・低リスクで得る方法」だ。取引手数料・貸株料などのコストがかかる。

株主優待制度とは

 日本には世界でも珍しい「株主優待」という制度がある。上場企業が株主に感謝して贈り物をする制度だ。上場企業が株主にお中元やお歳暮を贈るようなものである。

 株主への利益還元は、通常「配当金」の支払いで行う。「株主優待品」は配当金とは別に株主に贈られるものである。魅力的な制度なので積極的に活用したら良いと思う。

優待は欲しいが株価が下がるリスクを負いたくない

「つなぎ売り」を利用して株価下落リスクを回避しながら株主優待を獲得する方法

 株主優待に魅力を感じて、株式投資を始める方が多いと聞いている。ただし、株式投資である以上、投資した後に株価が下落することもある。

 優待は欲しいが株価変動のリスクは負いたくないとき、活用するといいのが「つなぎ売り」だ。「つなぎ売り」は信用取引の一種で、信用口座を開設しないとできない。

優待取り「つなぎ売り」のイメージ図


【参考1】「つなぎ売り」とは

 株を借りてきて売ることを、「信用売り」という。株を持っているが、持っている株を売らず、別途借りてきた株を売ることを「つなぎ売り」と言う。株を保有したまま、株が値下がりするリスクをヘッジする効果がある。この状態で、権利落日を迎えると、優待をもらう権利が確定する。権利が確定したら、保有している株を、借りてきた株の返済に充てれば、取引が完結する。保有株を、返済に充てることを「現渡(げんわたし)」と言う。

【参考2】「から売り」とは

 保有している株を、借りてきて売るのが「つなぎ売り」だった。それに対し、保有していない株を借りてきて売ることを「から売り」という。から売りした株が、値下がりした後に買い戻せば、利益が得られる。たとえば、1000円でから売りした株が、900円に値下がりしてから買い戻せば、1株につき、100円の利益が得られる。

 ただし、から売りした株が、値上がりしてから買い戻すと、損失が発生する。

「つなぎ売り」のやり方:現物買いと信用売りを同じ株数ずつ行い、優待の権利を得たら、現渡(げんわたし)で決済する

 「つなぎ売り」は、信用取引の一種である。以下の方法で、優待取りに使うことができる。

 3月末に100株保有すると、魅力的な株主優待が得られる銘柄を「A社」として、解説する。以下の2ステップで、優待取りが完結する。

<ステップ1>

 A社100株の「買い」と、A社100株の信用取引の「売り」を、両方とも行う。買ってから売っても、売ってから買っても、どちらでも問題ない。同じ価格で行うのが理想だ。

 3月末基準の優待を得るためには、3月27日(権利つき最終売買日)までに、ステップ1を行う必要がある。3月27日までに、ステップ1を行い、3月30日(権利落ち日)までポジションを持つと、3月末基準の優待を得る権利が確定する。

<ステップ2>

 優待の権利を得たら、速やかに(原則3月30日に)、現渡(げんわたし)で決済していただきたい。現渡とは、保有するA社株100株を、信用で売建(うりたて)しているA社株100株の返済に充てることである。これで、「優待取り」は完結だ。

 3月31日に現渡することも返済期限内なので可能だが、貸株料を払う期間が長くなるので、忘れずに30日に現渡しよう。

 ステップ1で、A社100株の「買い」と「信用売り」を同じ価格(たとえば1000円)で行えば、株価が上がっても下がっても、損も得もしない。

 株価が1000円から900円まで下落すると、買った株に1万円(値下がり100円×100株)の含み損が発生するが、同時に、信用で売った100株には1万円の含み益が発生する。合わせると、損も得もしない(売買手数料は考慮しないベース)。

 逆に、株価が1000円から1100円まで上昇すると、買った株に1万円の含み益が発生するが、同時に、信用で売った株に1万円の含み損が発生するので、合わせると、損も得もしない。

 「優待は欲しいが、株価下落リスクは負いたくない」時に、有効な方法である。優待の権利を得たら、速やかに、現渡で決済していただきたい。それで、完結である。

つなぎ売りを行うにあたってのご注意

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