アイ・ティ・アール(ITR)は3月24日、国内のDaaS(Desktop as a Service)市場予測を発表した。2018年度の売上金額は前年度比14.6%増の184億3000万円。一部売り上げを減らすベンダーはありつつも、上位2社の伸びが市場を牽引したという。
昨今の働き方改革推進の動きにより、企業規模にかかわらずテレワークを推進する機運が向上。頻繁にアップデートされるクライアントOSの集中管理、ポリシーに沿ったクライアント運用、セキュリティ統制などをアウトソース、管理負担軽減にもつながり、導入企業が増加するとしている。
オンプレミスに仮想デスクトップ環境(Virtual Desktop Infrastructure:VDI)を構築、クライアント環境として活用する企業もDaaSに移行すると説明。金融業を中心に業種、業態を問わず導入が進むという。2018~2023年度の年平均成長率(Compound Annual Growth Rate:CAGR)を17.3%、2022年度の市場規模は2018年度の2倍と予測している。
2017~2023年度のDaaS市場規模推移および予測(出典:ITR)
ITR シニア・アナリストの三浦竜樹氏は、「2019年は働き方改革の推進と、東京五輪の開催時期の通勤対策に在宅勤務を試験運用する企業が増加した。2020年は多くの企業において新型コロナウイルス感染症流行による在宅勤務、ウェブ会議への対応が喫緊の課題となっており、事業継続(BCP)対策として柔軟かつ迅速にユーザーを拡大できるDaaSの検討が増加する。さらに、マイクロソフトがDaaS市場に参入、国内のシステムインテグレーション(SI)やネットワークインテグレーション(NI)のベンダーがパートナーとして提供を開始。中堅中小企業での導入拡大、さらなる市場活性化が予想される」とコメントしている。