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ピュア・ストレージ、NVMeに完全対応の第3世代「FlashArray」を発表

渡邉利和

2020-03-25 10:32

 ピュア・ストレージ・ジャパンは3月24日、NVMeに完全対応した第3世代のオールフラッシュストレージ「FlashArray//X R3」を発表した。前世代(R2)でも全モデルがNVMe対応となっていたものの、エントリーモデル(X10、X20)ではSSDを搭載して出荷されていたのに対し、R3ではエントリーモデルも含めて全モデルがNVMeを搭載するように変更されている。このほか、新しいストレージメディアとしてSCM(Storage Class Memory、具体的にはIntel Optane)もサポートされる(現時点ではキャッシュとして活用)。

 プリンシパル・システムズ・エンジニアの岩本知博氏は、「根幹は“Evergreen”という考え方やアーキテクチャーだ」と強調し、最新のハードウェアが製品化されたという点にとどまらず、常に最新のコントローラーへのアップグレードを可能にするテクノロジーや、それをサブスクリプションモデルで提供することなどが同社の最大の差別化要因となっているとした。

ピュア・ストレージ・ジャパンの岩本知博氏
ピュア・ストレージ・ジャパンの岩本知博氏

 Evergreenサブスクリプションには、「フラット&フェア」(契約時の保守費を維持、更改も当時の価格で)、「フリー・エブリー・スリー」(3年ごとの保守サービス契約更改時に最新コントローラーを無償提供)、「フォーエバー・メンテナンス」(予防交換、プロアクティブに交換)といった内容を含むが、ユーザーから見ても最も分かりやすい機能が「3年ごとに最新のコントローラーに無償で更新される」点だろう。

 同氏はこの点を取り上げて「コントローラーだけを最新世代に更新して、本当に性能が向上するのか」という疑問について回答を試みた。同氏は、FlashArrayのOSである“Purity OS”が「直接NANDレベルで制御するファームウェアを搭載しているため、オーバーヘッドがない」ことを理由として挙げた。

 フラッシュメモリーはデバイスの特性上、データ書き込みを繰り返すことで劣化(ウェアリング)を起こし、使用不能になる。このため、製品として販売されているSSDなどのモジュールは、内部に余分のメモリー領域(Over Provisioning領域)を確保しており、破損したブロックを使用停止にしてOver Provisioning領域のブロックを代替で使用するという制御を行うことでモジュール全体の容量が想定される使用期間にわたって維持できるようにしている。

 また、特定のブロックに書き込み処理が集中すると劣化が早まるため、デバイス全域にわたって平均的に劣化が進行するようなアクセスの平準化処理なども行っている。こうした制御を行うためにSSD内部にはファームウェアが搭載されている。エンタープライズ向けのSSDは、十分な容量のOver Provisioning領域を確保している点と、ファームウェアの開発コストなどが上乗せになることで高価になってしまうことになる上、ストレージベンダーがパフォーマンスなどの最適化を行う際にもできることが限られてしまう。

 Pure Storageの場合は、デバイスメーカー製のモジュールを採用するのではなく、フラッシュメモリーのチップのみ(同社では“NAND”と呼ぶようだ)を購入して独自のNVMeモジュール(DirectFlashモジュール)とし、Over Provisioning領域の確保やアクセス平準化などの機能を実装するファームウェア機能をPurity OS側に用意することでコストパフォーマンスを最適化している。Over Provisioning領域を必要最小限度にとどめることで容量当たりのコストを削減する一方、性能の最適化も行い、最小構成でも最大構成でも同一の性能が出るようにしているという。

 一般的なSSDを採用したストレージの場合、最小構成では並列度が低いために最大性能は発揮できないことが多いというが、Pure Storageの場合は最小構成時の並列度でフルに性能が出るように最適化されていることになる。逆に言えば、モジュールを増やしても容量が増えるだけで性能向上の余地がないとも言えるのだが、こういう設計になっていることで「最新のコントローラーに交換すればメディアが古いままでも性能が向上する」ことにもなっているということだ。

 また同氏は、実際のコントローラー交換の様子をデモビデオで紹介し、Evergreenによる「フリー・エブリー・スリー」が単なるコストの問題ではなく、さまざまな世代のメディアが混在している環境をサポートできるソフトウェア技術があってこそのプログラムであることを実演した。

 実際のコントローラー交換手順は、二重化されたコントローラーの1台の電源を落としてシャシーから引き抜き、新しいコントローラーをシャシーにセットしたら、設定情報をもう1台のコントローラーからコピーするためのコマンドを実行する。これで新しいコントローラーが稼働開始するので、次にもう1台のコントローラーも同様の手順でアップグレードする、という流れになる。

 同氏が強調したのは、単にコスト面での問題だけで製品を提供すれば良いわけではなく、利用中のメディアの世代などに制約されることなく、サービスを無停止で簡単にアップグレードできる技術面での裏付けがあってこそだという点だ。ユーザー側でデータ移行などが必要になってしまうようでは、アップグレードの負担が大きく、実質的に“フォークリフトアップグレード”と変わらなくなってしまうことも考えられるためだ。

 FlashArray//X R3のリリースに関しては、新製品として新規導入するユーザーに加えて、3年前にEvergreenを契約し、これから更改を迎えるユーザーの手元にも順次届けられることになる。NVMeの完全サポートに加えて新たにSCMのサポートも加わるなど、ユーザーにとっても魅力的なアップグレードになるのではないだろうか。

FlashArrayの進化の歴史

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