自動車部品メーカーの東プレは、米Inforの自動車業界向けクラウドERP(統合基幹業務システム)「Infor CloudSuite Automotive」を採用した。インフォアジャパンが3月25日に発表した。
東プレは、自動車関連事業の国内全7拠点で生産、販売、購買、在庫管理に活用し、国内全体の会計管理にも利用する予定。将来的には、米国やメキシコ、中国、タイ、インドといった海外拠点にも展開する計画だ。
現在、自動車業界は大きな変革期を迎えており、IoTをはじめとする最新技術の活用や業務改善などによるデジタルトランスフォーメーション(DX)を推進する必要に迫られている。同社では、これまで生産管理や原価といった機能別に最適化を実現する手組みの基幹業務システムを使用していた。DXのための新しい取り組みに対応できるよう、高い拡張性を備え、業務を標準化できるクラウド型のパッケージシステムの導入を決定した。
Infor CloudSuite Automotiveは、自動車業界に特化したSaaS型のクラウドERPスイート。自動車業界に特化した機能を統合し、Amazon Web Services(AWS)のクラウド基盤から提供する。
採用の決め手となったのは、自動車サプライヤーに必要な機能をあらかじめ備え、同業界において豊富な採用実績を有している点にあるという。高度な生産・品質管理や自動車メーカーとのデータ共有、サプライチェーン可視化など、同業界の激しい変化に柔軟に対応するための機能がクラウドで提供される。特に「Automotive Exchange」機能は、主要国内自動車メーカーの販売管理における固有のEDI(商取引情報の電子データ交換)に対応し、同社の業務の効率化を促進するとしている。
また、クラウド上に蓄積されたデータを活用するために、クラウドBI(ビジネスインテリジェンス)「Birst」を併せて導入する。CloudSuite AutomotiveとBirstを組み合わせることで、標準化や効率化による業務改善やデータに基づく経営や施策を実行できるDX推進プラットフォームを構築する。