クラウド移行した後を考えるべき--2020年パートナー戦略に見るAWS活用の勘所 - (page 3)

阿久津良和

2020-03-26 06:30

 (2)のインダストリー戦略では2019年と同様に金融、製造、公共に注力する。金融機関向けパブリッククラウド活用ソリューション「A-gate」を提供するNTTデータ 金融事業推進部 技術戦略推進部 部長 仁尾圭祐氏は「高い公共性を持つ金融機関の特性を踏まえたリフト&シフトが必要」と主張。AWS活用に関わるルールやガイドの最善な手法と、適切な権限分掌や違反検知修復機能を提供するとA-gateの概要を紹介した。

NTTデータ 金融事業推進部 技術戦略推進部 部長 仁尾圭祐氏
NTTデータ 金融事業推進部 技術戦略推進部 部長 仁尾圭祐氏

 2018年10月から提供を開始しているが、すでに地方銀行7行が採用し、「証券や損害保険、公共といったお客さまからも多数の引き合いをいただいている」(仁尾氏)という。

 製造分野は設計、生産技術・計画、製造領域でソフトウェアを提供するISVやシステムインテグレーター(SIer)とともに取り組み、公共分野はグローバルで6500超の政府(地方自治体含む)、1万1000超の教育(教育機関、エドテック企業、学生)、2万9000超の非営利組織に拡大。国内は具体的な数値を示さなかったものの、同様に政府や自治体、大学、研究機関でAWSの利用が広まっている。

 AWSJは「AWS公共部門パートナープログラム(PSPP)」「ソリューションプロバイダープログラム for Public Sector(SPP for PS)」などを提供しているが、2018年と2019年で参加者数を比較するとPSPPは78%、SPP for PSは77%とそれぞれ増加している。

AWSJ 執行役員 パブリックセクター 統括本部超 宇佐美潮氏
AWSJ 執行役員 パブリックセクター 統括本部超 宇佐美潮氏

 AWSJ 執行役員 パブリックセクター 統括本部超 宇佐美潮氏は「冒頭でパートナー企業620社という数値を示したが、公共パートナープログラムに参画してくださる企業は一握り」と明かしつつ、同プログラムへの参画を募った。

 (3)のクラウドエンジニア育成の文脈で渡邉氏は、経済産業省の調査結果を踏まえつつ、「アプリケーションエンジニアもインフラ技術が必要になる」と所見を述べて、APN向け無償トレーニングやAPNトレーニングパートナー有償トレーニング、パートナーソリューションアーキテクトの育成といったトレーニングマップを披露。(4)のクラウドコミュニティー強化の文脈では、ミートアップやブートキャンプの開催でコミュニティーの醸成を目指す。

 (5)の地域におけるパートナー活躍の拡大は、2019年3月と2020年3月を比較すると都道府県の数にして30から38に拡大したことに触れつつ、APNパートナー主導による地方都市全国ロードショープログラム「AWS Cloud Express Roadshow 2020」を8月~10月中旬に開催することを明らかにした。全国15都市以上での開催を予定している。

 基調講演後は「APN Award 2019」も発表された。結果は以下の通り。

  • Social Impact Partner of the Year=アクセンチュア、NEC
  • Competency Partner of the Year=ブレインズテクノロジー、クラスメソッド、アクセンチュア、シンプレクス、dotData
  • Rising Star Partner of the Year=インテック
  • Technology Partner of the Year=はてな
  • Consulting Partner of the Year=アイレット

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