AIとMLはその進歩のなかでまず、データ駆動型の意思決定を進めていく上で足かせとなる、低水準データにまつわる問題の解決を支援するようになっている。Alteryxの最高データ分析責任者(CDAO)Alan Jacobson氏によると、こうしたテクノロジーは「自動データクレンジングや、重複の排除、データ拡張といったさまざまな手段で、データ品質の大きな向上に役立っている」といい、その過程で「定型的な繰り返し作業が自動化によって置き換えられる結果、ITプロフェッショナルはサーバーのさらなる活用に向けた最適化や、人的側面から見たセキュリティやアクセス管理への注力といったより価値の高い仕事を手がけられるようになる。彼らは、1日の多くを占める定型作業の奴隷ではなくなる」という。
AIのおかげで、面倒な作業の多くは機械が肩代わりするようになっているかもしれない。だからといって、人間のプロフェッショナルがそういったプロセスに関わらなくても済むようになるという話ではない。実際のところ、自動化が進めば進むほど、テクノロジー分野のレベルをまたがったコラボレーションが必要になる。EnterpriseDBのシニアバイスプレジデントであるJohn Murphy氏は、「多くの作業が自動化されている上に、データサイエンティストや開発者をはじめとする他のデータプロフェッショナルによるセルフサービスが増えつつある。彼らは自らでプロビジョニングを実施するようになっている」と述べた。さらに同氏は、「その意図は、データに対する十分なアクセスを提供しつつ、より迅速な行動を可能にするというものだ。かつては、どのデータが興味深いのかということが分かっていたが、今では分からなくなっている。このため、人々はすべてのデータにアクセスしたいと考えている。理解しておくべき難関と機会の双方がここに存在している。データベース管理者(DBA)やデータアナリスト、データサイエンティスト、開発者は他のことについてもっと知る必要がある」と続けた。
つまり、ITプロフェッショナルは努力を続けていく必要があるということを意味している。そして、AIやMLとより緊密に付き合っていく必要もある。テクノロジーは面倒な作業の多くを自動化してくれるが、依然として人間の監視が必要となる。Jacobson氏は「アルゴリズムが実装された後であっても、監視を続け、専門的な技能によって洗練させていく必要がある」と述べ、「業務知識や特定分野の知識が深くない、あるいはAIやMLの動きについて完全に理解していない人による実装/洗練は、多大なリスクを引き起こす可能性がある」と続けた。
同氏は、最高の知識を用いたとしても、「既存のプロセスに適合しない、あるいは業務上許されない変更を要するため、本番で採用されないソリューションはたくさんある」と述べ、「(あるいは)考え出した人が実現しようとした目標を達成できない貧弱なモデルになることも起こりうる。このようなリスクは、ほかのテクノロジーを導入する場合と変わりはなく、適切な人、経験、訓練があってこそ解決できる」と続けた。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。