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調査

AI導入企業はデータガバナンスをどれほど意識しているか

Joe McKendrick (Special to ZDNet.com) 翻訳校正: 石橋啓一郎 編集部

2020-05-11 08:30

 データは人工知能(AI)や機械学習を使った取り組みを前進させるための原材料だが、実際には、生のままでは使えない。データは可能な限り正確で、時宜にかなっており、よく吟味されている必要がある。さもなければ、AIが誤った結果や偏った結果を出してしまう。現時点では多くの企業が、AIを使った取り組みに使用するデータの品質を保つ仕組みを作れていない。

 AIのコードレベルに存在する潜在的なバイアスについては、Cathy O'Neil氏の「Weapons of Math Destruction」などの著作で十分に説明されている。この書籍では、信用力審査から企業のパフォーマンス評価までを含めて、あらゆる意思決定に使われるアルゴリズムの透明性を高めるべきだと呼びかけている。

 データについても同様の取り組みが必要だが、O'Reillyが公表した、AIの導入に関わっているデータサイエンティスト、企業役員、ITプロフェッショナルなど1388人を対象とした最新の調査結果によれば、そのような取り組みはまだ始まったばかりだ。調査では、AIは単なるプロトタイプから本番環境で利用できるものにまで成熟しているが、組織からの支持の欠如がAI導入の障害になっていることが明らかになった。また、レポートの著者であるRoger Magoulas氏とSteve Swoyer氏は、「データガバナンスの優先順位はまだ高くない」と述べ、「AIプロジェクトを支える、あるいは補完する、データガバナンスのための正式な業務プロセスやツールをすでに導入した」と答えた回答者はわずか5分の1だったと報告している。

 専門家や企業役員は、AIにはデータのガバナンスが必要不可欠であることを認識しており、その多くは、データガバナンスを強化する意思を持っている。回答者の4人に1人(26%)は、今後1年以内にデータガバナンスのための正式な業務プロセスやツールを導入する計画があり、約35%は今後3年以内に導入する可能性があると答えている。しかし逆に言えば、AI導入企業の3分の2近くが、十分なデータガバナンスのメカニズムを持たないということだ。

 Magoulas氏とSwoyer氏は、「AI導入企業の多くは、ほかの企業と同じく、データガバナンスを必要不可欠な要素ではなく、付加的な要素だと見なしている」と述べている。両氏は、AI導入企業に対して、データの来歴、データリネージュ、一貫性のあるデータの定義、十分なメタデータの管理などのベストプラクティスやメカニズムを、AIプロジェクトに最初から組み込むべきだと呼びかけた。レポートでは、「データのガバナンスは、ソフトウェア開発における可観測性(observability)のようなものだと考えるべきだ」とも述べている。データのガバナンスは、AIが出した結果の透明性を確保するために必要なものだ。

 O'Reillyの調査では、もっとも広く採用されているAIツールは「TensorFlow」であり、回答者の55%近くに利用されていることも明らかになった。TensorFlowは前年の調査でも1位だった。また、Pythonを使用したツールもAI開発の現場でよく使われていることが分かった。レポートでは、「AI関連の業務でもっともよく使われている5つのツールのうち、4つがPythonベースか、Pythonのツール、ライブラリ、パターン、プロジェクトを主としたものだった」と述べている。よく使われるツールには、TensorFlow以外に「scikit-learn」(48%)、「PyTorch」(36%)、「Keras」(34%)の名前も挙げられている。

 機械学習の学習手法に関しては、もっともよく使われているのは今回も教師あり学習であり、回答者が自ら「成熟している」AIの実務者だと判断した人の73%で使用されていた。教師あり学習は前年の調査でも首位を占めていた。2位と3位には、深層学習の66%とモデルベースの手法の60%が続いた。また、大半の企業では複数の手法が利用されていた。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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