セキュリティもクラウドで確保するのが自然な流れ--ゼットスケーラー - 2/3

渡邉利和

2020-04-08 10:30

 Zscalerは4月7日、同社の製品/技術に関するプレス向け説明会をオンラインで開催した。SASE(Secure Access Service Edge)ベンダーとして知られる同社は、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大を受けたリモートアクセス/テレワーク需要の急増を受けて取り扱うトラフィック量が「指数関数的に増加している」状況だという。今回はこうした状況を踏まえ、同社のテクノロジー/ソリューションが現在のリモートアクセス/テレワーク環境をどのように支援するかという点が詳細に語られた。

 同社 Global Chief Information Security Officer(CISO)のStan Lowe氏はまず、同社の現状を示す数字として「Forbes Global 2000の企業のうち400社を顧客とするマーケットリーダー」「Gartnerのマジッククアドラントで9年連続の“リーダー”を維持」「グローバルで150のデータセンターを有し、毎日950億以上のトランザクションを処理」といった実績値を紹介した。同社では、クラウドセキュリティ製品「Zscaler Internet Access」と、クラウドアクセス製品「Zscaler Private Access」を2本柱とするが、今回はZscaler Private Access(ZPA)の紹介がテーマとなった。

 ZPAは、企業内部で活用される「プライベートアプリケーション」(クラウド上またはオンプレミスデータセンターで稼働)への“シームレスなゼロトラストアクセスを提供する”製品であり、従来のVPN(仮想私設網)が担っていた機能を代替する製品となる。現在、全世界規模で新型コロナウイルス(COVID-19)の大規模感染(パンデミック)が進行中であり、グローバルでリモートアクセスやテレワーク、在宅勤務へのニーズが高まっている。

 実際に、ZPAのトラフィック量は2020年1月時点と比較して現在ではグローバルで8倍に増加したという。エリア別に見ると、EU圏で5倍、中国で12倍、韓国で6倍、日本では2倍となったという。こうした急速な拡大や企業ユーザーへの迅速な導入を可能にしている理由として、ZPAはクラウドネイティブなソフトウェアであることが挙げられる。サービスの提供はクラウドベースで行われるため、クラウドに備わる俊敏性やスケーラビリティーが生かされている形だ。従来型のVPNの場合はハードウェアベースで処理されることが多いため、機器の調達に数カ月を要してしまうことも珍しくなく、初期導入の際にも運用中での規模拡張でも、そのスピード感には大差があると同氏は語った。

 続いて、同社 North Asia担当Area Directorとして日本および韓国のビジネスを担当するDarren McKellin氏は、日本国内でのビジネスについて説明した。同氏は、日本政府が2015年ごろから在宅勤務の推進に取り組んでいる一方、企業側の対応は遅れているという現状を指摘した。国内のある物流企業では、今回の新型コロナウイルスの流行を受けて、急遽3月上旬からテレワーク環境の整備に着手した。当初4月1日から社員6000人規模で運用を開始する計画だったものの、実際には予定よりも早く準備が整い、期待以上の成果が得られたとしている。今では早くもライセンス数の増加を計画しているという。

 また同氏は、VPNとZPAの違いとして、ZPAが“クラウドネイティブなアーキテクチャー”であるとした上で、「クラウドシフトが進み、企業のアプリケーションやデータがクラウドに移っている現在、セキュリティもクラウドで確保するのが自然だろう」と指摘した。

ZPAのトラフィック量の急増。

ZPAのトラフィック量の急増。

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