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AI活用の理想と現実--成功の秘訣を探る - (page 4)

Daphne Leprince-Ringuet (ZDNet UK) 翻訳校正: 村上雅章 野崎裕子

2020-04-22 06:30

 ハルト・インターナショナル・ビジネススクールのビジネスおよび経済学担当の教授であり、ハーバード大学でも教壇に立っているMark Esposito氏の説明によると、売り文句と現実の間のギャップを埋めるというのは実際のところ、企業にとって難しいことなのだという。同氏は米ZDNetに、「組織は最初のトレンドで、AIをPoC(概念実証)として捉えた」と述べ、「そうした組織の多くは現在、自らのアイデアをコードやアルゴリズムへと変換したうえで、既存インフラと共存するようなかたちで実装できないという問題を抱えている」と続けた。

 Global 500企業を対象としたKPMGの調査によると、調査対象企業のうちで最も高度なAI能力を有している上位5社では、同テクノロジーに取り組む常勤の従業員を平均すると375人抱えているという。これらの企業は1社あたり7500万ドル(約81億円)をAIの人材に投じており、今後3年間でその額が増加すると見込んでいるという。

 言うまでもないが、新たなリソースに対するこうしたレベルの投資は、ほとんどの組織にとって無理な相談のはずだ。

 しかし、適切な資金とワークフォースを確保しても、企業はAIの配備に苦労しているようだ。企業はこのテクノロジーを現実世界のユースケースに適用する上での明確な戦略を欠いており、結局のところAIが持つ機会を最大限に活用できていない。

 Esposito氏は「企業はAIを、既製品のような、入手してすぐに使えるテクノロジーとして捉えがちだ」と述べ、「その考え方は間違っている。自らのニーズに合わせて作り上げたAIでなければ、AIとして使いものにはならない。テクノロジーの魔法というものは、厳格に絞り込まれた目的を定義している場合にのみ効果を発揮する」と続けた。

 「単なるデジタル化や、効率の向上といったレベルの目的では、十分に絞り込まれているとは言えない。このツールによって実現したい内容が、明確なかたちで定義できていないのだ」(Esposito氏)

 KearneyのAurik氏の目から見ても、ほとんどの企業が最初におかす過ちは、AIに対して見当違いの期待をかけることだという。同氏は、コスト削減や効率向上といった期待は思慮が浅すぎるとし、「そういったビジネスケースを容易に実現できるのは確かだが、それでは機会を逃してしまっている。AIの価値はトランザクションや効率の向上に関するイニシアティブにあるのではない。その価値は新たな事業分野の拡大や成長にある」と述べた。


具体的かつ目標を絞った戦略に従って配備すれば、AIはさまざまな業界に大きな価値をもたらすものとなり得る。
McKinsey Global Instituteのレポート「How artificial intelligence can deliver real value to companies」(AIはいかにして企業に真の価値をもたらすのか)より

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