パロアルトネットワークスは、クラウドネイティブなセキュリティプラットフォーム「Prisma Cloud」の最新版を4月下旬から提供すると発表した。ソフトウェアの開発段階からセキュリティを組み込んでいく“シフトレフト”の考えに基づき、CI/CD(継続的インティグレーション/継続的デリバリー)ポリシーの中央管理やホストセキュリティ機能およびアーキテクチャーの改善を実施した。
企業はソフトウェア開発のライフサイクルにおいて、DevOpsやコンテナー、クラウドネイティブなアーキテクチャーなど最新のツールやプロセスを採用している。これらのツールやプロセスは、絶えず増加する多様なクラウド環境とともに採用が進んでおり、結果として本番環境とアプリケーションライフサイクルの全体にわたって保護すべき対象が倍増している。
最新版のPrisma Cloudは、こうした状況に対応すべく安全ではないIoCテンプレートをカスタマイズ可能なポリシーでスキャンするInfrastructure as Code(IaC)のスキャン機能や、CI/CDポリシーの一元管理、Amazon Machine Image(AMI)のスキャン、AWS Lambdaの自動サーバーレス保護などを主な機能として提供する。
クラウドネイティブインフラとそれに伴うセキュリティの課題が増加したことによって、クラウドセキュリティポスチャ管理(CSPM)ソリューションとクラウドワークロード保護プラットフォーム(CWPP)双方の実装を期待するようになり、Prisma Cloudはそのニーズに応える業界初のCNSP(クラウドネイティブセキュリティプラットフォーム)として、新たなクラウドセキュリティの実装手段として市場での存在感を増している。
新機能であるIaCスキャンは、クラウドネイティブなアプリケーションやワークロードの安全性を確保する。IDE(IntelliJ、VSCode)、SCM(GitHub)、CI/CD(AWS CodePipeline、Azure DevOps、CircleCI、GitLab、Jenkins など、さまざまな環境でパロアルトネットワークスが提供するシフトレフトプラグインを利用でき、多様な顧客環境およびニーズに対応する。近日中にGitLabやBitBucketなどの追加プラグインがリリースされるという。
CI/CDポリシーの一元管理では、CI/CDのワークフローを管理するために、Prisma Cloudダッシュボードから直接、脆弱性とコンプライアンスの検査で使用するポリシーを設定できるようになった。ダッシュボード内でIaCポリシーの表示や作成も行え、定義済みのIaCポリシーは、AWS、Azure、GCPのCIS(Center for Internet Security)標準に準拠している。
また、Amazon Machine Image(AMI)スキャンでは、脆弱性管理機能に、コンテナーレジストリーやサーバーレスリポジトリをスキャンするのと同様の手法でAMIをスキャンする機能を追加した。これにより、DevOpsとセキュリティ運用チームは、デプロイ前にAMIのセキュリティリスクを可視化できる。
AWS Lambdaの自動サーバーレス保護については、コンソールから直接ワンクリックでAWS Lambda関数の自動保護が可能になった。これによりサーバーレスアプリケーションの保護がより容易に、迅速になり、開発者が手動でコードにラッパーをインストールする必要がなくなる。さらに、脆弱性管理やランタイムの防御、サーバーレス型クラウドネイティブアプリケーションファイアウォール(CNAF)など、全ての既存サーバーレスセキュリティ機能で保護する。