IDC Japanは、国内ネットワーク仮想化/自動化市場と国内NFV(Network Functions Virtualization)市場に関する予測を発表した。
これによると、データセンターと企業ネットワークを合わせた国内ネットワーク仮想化/自動化市場は、2019年の572億円市場から2024年にかけて年平均8.2%で成長を続けることが分かった。
国内ネットワーク仮想化/自動化市場 支出額予測、2019〜2024年(出典:IDC Japan)
データセンター向けは、前年の20.9%からやや減速しているものの、2019年の成長率は16.3%と二桁成長を続けている。IDCでは、2019〜2024年にかけて年平均9.5%で成長を続けると予測している。
一方、企業ネットワーク向けは、2018年に、より現実的な課題解決と、一方では将来のネットワークの自動運転を見据えた仮想化/自動化を実現する市場へと舵を切った。2019年は、そうした市場の転換点を乗り越えて安定した成長軌道に乗りつつあり、前年比成長率は前年からは低下したものの8.7%と成長市場らしい伸びを見せている。IDCでは、同市場は2019年と同水準の成長を続け、2019〜2024年にCAGR 7.1%で堅調に拡大するとみている。
通信事業者ネットワークにおけるネットワーク機能の仮想化市場である国内NFV市場は、2019年は前年比成長率169.5%で659億円に急伸した。IDCでは、5G(第5世代移動体通信)のアーキテクチャーを先取りした楽天モバイルのコアおよびRAN(Radio Access Network)への投資が一つの起爆剤になったとみている。
また今後は、楽天モバイルを含む国内MNO(Mobile Network Operator)による5G向け投資が本格化し、5GコアおよびvRAN(virtual Radio Access Network)の展開によって国内NFV市場はもう一段高いレベルに引き上がるとみており、2019〜2024年のCAGRは16.0%で成長を続け、2024年には市場規模は1384億円に達するとしている。