新型コロナウイルス(COVID-19)の影響が日に日に広まっています。4月7日に発令された緊急事態宣言も後押しとなり、さらに多くの企業、組織が在宅勤務への切り替えを進めています。
オフィスなど固定された場所を前提に設計された働き方、生産性や安全性の確保など、さまざまな準備が必要で、多くの組織の方が“寝耳に水”と感じながら、新しい働き方への対応を進めていることと思います。「Dropbox Business」を対策に活用いただいているユーザーからも、その対応や準備に苦労しているときいています。
“はじめの一歩”をご紹介した前回に引き続き、今回は、その中でも重要な要素となる、在宅勤務を含むリモートワーク時のセキュリティについてご紹介します。
物理セキュリティに投資か、デジタルで管理するか
「セキュリティ」と一言で言っても、分野は非常に幅広いです。従業員や関係者を被害から守るためのオフィスの耐震性強化、不審者の侵入を防ぐといった物理的な側面も考慮する必要があります。PCや書類の盗難、火災などの消失という危険性への対応も必要となるでしょう。
在宅勤務においてもこれらの危険性は無視できない問題です。当然、火災や盗難に対しては個々人が常日頃から気をつけているところですので、一定の信頼ができるとしても、情報セキュリティについて一定の基準を設けて従業員に徹底するといった事例は、まだ多くは耳にしません。
筆者が以前勤務していた企業では、リモートワークにあたって、さまざまな情報セキュリティポリシーが定められていました。例えば、「リモートワークの際には必ず何ミリ×何ミリ未満に裁断できるクロスカットシュレッダーを備えること」というように、PCやスマートフォンのような情報機器以外の物理的な情報媒体のポリシーも厳しく規定されていました。
紙、シュレッダーともに費用や設置場所を考慮する必要があります。クラウドサービスを導入するのであれば、それら紙は電子化、一定の基準で管理されることになるため、不要になる過渡期の支出かもしれません。しかし、「お子さんがお絵かきをするために、会社の重要機密が印刷された紙の裏紙を使ってしまう」、また「紙の方が読みやすい」「紙の方が添削などやりやすい」、あるいは逆に「パソコンの画面で長時間文章を読むと疲れる」「操作方法がわからない」など、電子化推進が難しいという企業ごとの事情もあるでしょう。
そもそも、業務の進め方を変えることは、組織にとって費用以外の面でも大きなストレスとなります。紙を使った従来の業務をそのまま踏襲し、追加で物理セキュリティに投資するか、電子化し統一した基準で管理するか――。これは組織の考える生産性や安全性と費用感における判断となり、影響を考慮したうえで一考の余地はあるでしょう。
どちらが良いというわけでもありませんが、いずれの場合でも、在宅勤務という働き方を実現するには追加の投資や検討が必要となります。
Dropbox Business導入ユーザーの中には、火災や盗難といった危険性への対策として活用するケースも増えています。近年、電子化、在宅勤務を含むリモートワークへの対応など、目的を広げる方が増えていましたが、今回の新型コロナウイルスの広がりを受け、電子化、クラウド化への移行を目指した活用が進んでいます。
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