阿里巴巴(アリババ)は今後3年間で、クラウド事業に2000億元(約3兆円)を投資する計画を明らかにした。サーバー、チップ、ネットワーク、OSなど、インフラ開発に注力するという。また、アリババのプロプライエタリーな技術を「今から数年間で」、同社のデータセンターに導入するとしている。
同社は現地時間4月20日に声明で、「次世代データセンター」を構築するためのこの投資により、新型コロナウイルスの終息後には、強化したクラウドサービスの提供が容易になり、顧客のデジタル変革に向けた取り組みを支援できると述べた。
またアリババは、「Apsara Distributed Operating System」、人工知能(AI)チップ「Hanguang 800」、「X-Dragon」アーキテクチャー、「VSwitch」などのテクノロジーや製品が今後数年間でデータセンターに導入されると述べた。
同社は現在、中国、米国、欧州のほか、シンガポール、インドネシア、オーストラリア、マレーシア、日本など21のリージョン、63のアベイラビリティゾーンでデータセンターを運営している。が含まれる。
2020年2月に、同社のクラウド事業は売上高が107億元に達し、1四半期で初めて100億元を上回るという新たなマイルストーンを達成した。パブリック/ハイブリッドクラウドサービスの需要が後押しし、クラウド事業は第3四半期(12月31日締め)に前年同期比で62%増加した。
しかし、同社の総売上高でクラウド事業が占める割合は7%にすぎず、その多くは小売や卸売のEコマースや物流サービスなどを含む、コマース事業が生み出している。
米ZDNetがアリババに、この新たな投資で、クラウド事業の売上高をどのくらい増やしたいのか、また過去3年間におけるクラウド事業への投資額を尋ねたところ、同社は詳細を明らかにすることを控えた。さらに、AIや量子コンピューティングなど、特定技術に投資を行うかという質問についても、サーバー、チップ、ネットワーク、OSなど、クラウドインフラの開発に注力するという計画を繰り返し述べるにとどまった。
中国国外の成長市場について尋ねたところ、アリババはとりわけ東南アジアで「力強い成長」を見せており、同社がマレーシアとインドネシアの両国で、データセンターを2カ所ずつ運営している「唯一の世界的なパブリッククラウドサービスプロバイダー」であると指摘した。
アリババ・クラウド・インテリジェンスのプレジデントを務めるJeff Zhang氏は声明で、次のように述べている。「COVID-19のパンデミックは、あらゆる分野の経済全般にさらなるストレスをもたらしている一方、われわれがデジタル経済に専念するように導くきっかけにもなっている。クラウドインフラと基本的技術への投資を増やすことで、世界クラスの信頼できるコンピューティングリソースを継続的に提供し、企業が復旧プロセスを加速できるようにしたい。またクラウドベースのインテリジェントソリューションを提供し、パンデミック終息後の世界で企業のデジタル変革を支援したい」
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。