DXを実現するモダナイゼーションの勘所は「人材」
以上が発表の概要だが、筆者がこのサービスに注目したのは、DXを実現するモダナイゼーションというレガシーシステムを抱える企業にとっての最大の課題に取り組むこともさることながら、そのためのSE人材の確保を明示しているからだ。しかも中途採用者やオフショア人材にも言及しており、取り組みに対する問題意識の高さがうかがえる。
IDC Japanが先頃発表した「国内エンタープライズインフラ市場のユーザー動向調査」の結果によると、ITインフラのモダナイゼーションに対する最大の阻害要因としては「予算の制約」が突出していたが、次いで「ITスタッフの過負荷/不足」「最新テクノロジーに対するITスタッフの教育/知識不足」を指摘する回答も多く、この2つを合計すると4割弱を占め、「予算の制約」を上回った。(図3)

図3:ITインフラのモダナイゼーションに対する最大の阻害要因(出典:IDC Japan)
この結果から、同社では「ITスタッフの過負荷とスキル陳腐化が、モダナイゼーションの大きな阻害要因として顕在化していると考えられる」との見解を示した。
このIDC Japanの調査結果による見解は、NECが今回提供するサービスにおける問題意識と、「人材」という点で一致している。すなわち、人材こそがDXを実現するモダナイゼーションの勘所である。
おそらくNECでは今回のサービスを提供する複数の顧客との間でプロジェクトが動き始めているだろう。その事例も一応の成果を上げた際にぜひ公開していただきたい。