アマゾン ウェブ サービス ジャパン(AWSジャパン)は4月23日、オンライン記者会見を開催。仮想デスクトップ基盤(VDI)サービス「Amazon WorkSpaces」、コンテンツコラボレーションサービス「Amazon WorkDocs」、クラウドベースのコンタクトセンターサービス「Amazon Connect」などを活用したテレワーク支援事例を説明した。
昨今の新型コロナウイルス感染拡大防止策として在宅勤務を強いられる企業は多いものの、AWSジャパンのユーザー企業である仰星監査法人(千代田区、従業員数302人)では、Amazon WorkSpacesなどで在宅勤務に容易に移行したという。同監査法人 パートナーで公認会計士の金子彰良氏は「インターネット接続環境があれば、どこでも最新の監査調書にアクセスできるため、在宅勤務は仕事の場所が単純に変わっただけ。スムーズに移行できた」と語る。

仰星監査法人 パートナー 金子彰良氏
仰星監査法人は2015年からAmazon WorkSpacesを積極的に利用すると同時に、監査調査などの情報資産を「Amazon Elastic Compute Cloud(EC2)」や「Amazon Simple Storage Service(S3)」に集約してきた。
導入以前はオンプレミスのサーバーや従業員が使用するノートPCにデータを保管していたが、端末紛失による情報インシデントリスクを軽減するため、シンクライアント仕様のデバイスに変更。クラウドシフトに伴い、被監査企業と事務所間の移動時間削減や隙間時間の活用が可能になり、業務生産性も向上した。金子氏は「(移動時間の削減が)従業員から一番喜ばれた」と説明する。

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監査調査の作成に必要な被監査企業の資料受領方法だが、「以前は紙資料やUSBメモリーで受け取っていた」(金子氏)ものの、現在はAmazon WorkDocsを利用。監査チームと被監査企業担当者のみがアクセス可能なWorkDocsサイトを構築しているが、2月以降は在宅勤務需要の高まりから30チームからサイト作成新規依頼があり、現在は約110サイトが稼働している。
当然ながら、すべての企業がクラウドシフトを終えているわけではない。金子氏は「クラウドを利用した監査は被監査企業のクラウド化が不可欠」と前置きしつつ、AWSのセキュリティ対策を説明し、納得して使うケースもあれば、被監査企業のセキュリティポリシーに沿って外部ストレージを利用するケースがあるという。