Amazon WorkDocsの利用について金子氏は「クラウド上に監査法人があるイメージ。ファイル操作のアクティビティも残るため信頼性も高い」と評した。AWSジャパンによれば、日本事務器(渋谷区、単体従業員数899人)もAmazon WorkSpacesと「Chromebook」によるテレワーク環境を導入している。
オムニチャネルコンタクトセンターを従量課金制で構築できるAmazon Connectの導入事例も多い。
AWSジャパンの説明によれば、1日あたりの平均の発信が1100件、受信が1200件というコールセンターを約100人で運用するプラス ジョインテックスカンパニー(港区、従業員数約500人)は年間コストを推定40%削減。今後は音声解析などを利用し、顧客の声を経営改善につなげる。
EC向け業務支援サービス「EC-PLUS」を提供するファンヴォイス(札幌市)も、PDCAサイクルの加速化や管理コストを従来の3分の1に削減した。カインズ(埼玉県本庄市、従業員数1万1477人)もAmazon ConnectをSalesforceと連携させてビジネススピードと効率性の向上を実現したと説明する。AOKIホールディングス(横浜市都筑区、連結従業員数4175人)も電話対応応答率を約20%向上させた。
AWSジャパンはSalesforceとAmazon Connectによるコンタクトセンターを容易に構築できるという「CTI Adapter v4 for Salesforce」に加えて、音声とテキストチャットを同じユーザーインターフェース(UI)で操作できる「Amazon Connect Web & Mobile Chat」をあわせて紹介した。
アマゾン ウェブ サービス ジャパン レディネス&テックソリューション本部 本部長/プリンシパルソリューションアーキテクト 瀧澤与一氏
AWSジャパンのレディネス&テックソリューション本部 本部長でプリンシパルソリューションアーキテクト 瀧澤与一氏は「(コンタクトセンターの対応を指す)コールフローも日本語UIを用意し、ITリテラシーが高くない業務部門でも作成できる」とアピール。同社ではコンピューター電話統合(CTI)環境からAmazon Connectへの移行を支援する専任チームを用意し、パートナー経由とあわせて支援している。
オンライン記者説明会では、アプリケーションストリーミングサービスの「Amazon AppStream 2.0」やリモートコラボレーションツール「Amazon Chime」も説明されたが、ここでは昨今の状況を踏まえて、リモートネットワークアクセスツール「AWS Client VPN」とAWSジャパンの新型コロナウイルス対策に注目したい。
VPN接続可能数を自動的にスケールアップ/ダウンするAWS Client VPNは、オープンソースソフトウェア(OSS)「OpenVPN」をベースにしたVPNクライアントでAWS内のエンドポイントに接続する。また、AWS内に仮想ネットワークを構築し、リソースを構築する「Amazon Virtual Private Cloud(VPC)」、AWSに専用線で接続する「AWS Direct Connect」を組み合わせることで、企業内に設置したオンプレミスのサーバーにアクセスできる。