海外コメンタリー

ZoomとMicrosoft Teams、英議会のオンライン議事はまず両院異なるシステムで

Daphne Leprince-Ringuet (Special to ZDNET.com) 翻訳校正: 石橋啓一郎

2020-05-01 08:30

 7世紀にわたって続いてきた英国議会は、新型コロナウイルス対策のため、「バーチャル議会」を開催することになった。

 これによって上下両院の議員は、感染抑制のために対人距離を確保する規則を尊重しながら、仕事の一部をリモートで行えるようになっている。これには、大臣との質疑や、特定の問題に関する議論などが含まれる。

 ただし、下院議員は「Zoom」を利用するのに対して、上院では(少なくとも当面は)「Microsoft Teams」を使って議事日程に関する議論や政府への質疑を行うことになっている。しかし、数週間前には、上院も下院の計画に乗じてZoomを導入する予定だったという。

 Microsoft Teamsは議会が既に持っている「Office 365」に含まれており、議会のIDやアクセス管理ツールにも統合されている。このため、スタッフや両院の議員はすでにTeamsを使える状態になっている。上院にとっては、既に知っている機能を使うだけでいいわけだ。

 上院議員はオンライン議事に関する手引きを受け取っており、この手引きには、Microsoft Teamsを利用して、リモートから口頭質問や私的通告質問、大臣声明などの非立法的な議論を行うことができると述べられている。非立法的な議事は完全にオンライン化され、議員はリモートでしか参加できなくなる。手引きでは、上院議員が座った状態で発言することが許されることや、聖職上院議員がローブを着用せずに参加できるといった細かい規則も定められている。

 5月上旬までには、上院にもZoomが導入され、Parliamentlive.tvでセッションがライブ配信される可能性があるという。

 議会の広報担当者は、米ZDNetの取材に対して「両院の性格と、新しい配信インフラを開発、構築して、システムのレジリエンスを確保する必要性があることを考慮し、現実的な判断として、まず下院にこの技術を導入し、その後数週間以内に上院にも導入することとした」と述べた。

 つまり、下院議員が上院議員に先駆けてZoomをテストし、うまくいけば、両院に同じ技術を導入するということだ。広報担当者は、「これにより、両院議会による行政監視機能を確保しながら、テストをして学ぶことができ、同時に議会施設内での議員の安全を確保できる」と述べている。

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. セキュリティ

    迫るISMS新規格への移行期限--ISO/IEC27001改訂の意味と求められる対応策とは

  2. セキュリティ

    警察把握分だけで年間4000件発生、IPA10大脅威の常連「標的型攻撃」を正しく知る用語集

  3. セキュリティ

    まずは“交渉術”を磨くこと!情報セキュリティ担当者の使命を果たすための必須事項とは

  4. セキュリティ

    マンガで分かる「クラウド型WAF」の特徴と仕組み、有効活用するポイントも解説

  5. ビジネスアプリケーション

    生成 AI 「Gemini」活用メリット、職種別・役職別のプロンプトも一挙に紹介

ZDNET Japan クイックポール

所属する組織のデータ活用状況はどの段階にありますか?

NEWSLETTERS

エンタープライズコンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]