Amazon Web Services(AWS)は米国時間4月23日、「Apache Cassandra」向け「Amazon Keyspaces」の一般提供を開始したと発表した。
AWSはAmazon Keyspacesを、Cassandraワークロードを対象とした、スケーラビリティーや可用性に優れたフルマネージド型データベースサービスだとしている。
同サービスは同社の年次イベント「AWS re:Invent 2019」で「Amazon Managed Apache Cassandra Service」としてプレビュー版がリリースされていた。Amazon Keyspacesは、Cassandraワークロードを現在実行している顧客が用いているものと同じアプリケーションコードや、「Apache 2.0」ライセンスが付与されたドライバー、開発者ツールをサポートしている。
また、同サービスはサーバーレスアーキテクチャーを採用しているため、アプリケーションのトラフィックに応じてテーブルのスケールアップ/スケールダウンが自動的に実行される。
AWSは、同サービスを採用することで顧客は、オンプレミス環境のCassandraワークロードをクラウドに移行できるようになると述べた上で、サーバーの管理や、大規模なCassandraクラスターのプロビジョニングや設定/運用、手作業によるノードの追加/削除、トラフィックの増減に応じたパーティションの再調整の必要がなくなると付け加えた。
AWSは発表で「AWSを使用している多くの顧客から、Cassandraデータベースの実行やスケーリング、管理を支援してほしいという要望があった。というのも、数百テラバイトに及ぶデータや、1秒当たり数百万件という入出力処理を実行する大規模Cassandraクラスターをオンプレミス環境で管理するのは複雑かつ困難な作業であるためだ」と説明している。
「Cassandraはベースとなるインフラのセットアップや設定、維持管理に特別な専門知識が必要であり、オープンソースソフトウェアであるApache Cassandraを含むアプリケーションスタック全体に対する深い理解も必要だ」(同)
同社は、オンプレミス環境や「Amazon Elastic Compute Cloud(EC2)」環境上で既にCassandraテーブルを稼働させている顧客は、「Amazon Elastic MapReduce」(Amazon EMR)のようなAWSのサービスや、「Apache Cassandra Query Language Shell」(cqlsh)といったオープンソースのツールを用いることで、それらテーブルをAmazon Keyspacesに容易に移行できると述べた。
AWSのデータベース担当バイスプレジデントであるShawn Bice氏は、「多くの顧客はAmazon EC2環境上やオンプレミス環境上でセルフマネージド型のCassandraを以前から使用しているが、大規模なCassandraクラスターの管理に苦心していると訴えていた」と述べた。
「Amazon Keyspacesによって顧客は、基盤となるハードウェアの管理に煩わされることなくCassandraを実行できるようになる。また、このサービスはサーバーレスアーキテクチャーを採用しているため、顧客はものの数分でCassandraクラスターを立ち上げられるとともに、アプリケーションのニーズに応じてデータベースを容易にスケールアップ/スケールダウンできるようになる」(Bice氏)
Amazon Keyspacesは米国東部(バージニア北部、オハイオ)、米国西部(オレゴン、北カリフォルニア)、欧州(フランクフルト、アイルランド、ロンドン、パリ、ストックホルム)、アジアパシフィック(香港、ムンバイ、ソウル、シンガポール、シドニー、東京)、カナダ(中部)、中東(バーレーン)、南米(サンパウロ)の各リージョンで利用可能になっている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。