リモートデスクトップは、WindowsやmacOS、Chromeなどのブラウザに標準機能として搭載されているものもありますが、セキュリティの観点から業務での利用はお勧めできません。もしもPCがサイバー攻撃にあってしまった場合に、そのPCを踏み台にして全ての会社のデータにアクセスできるようになるため、情報漏洩のリスクが極めて高くなります。リモートデスクトップを利用する場合は、強固なログイン設定や通信の暗号化、詳細なアクセス権限の設定が可能で、セキュリティがしっかりしている有料の企業向けサービスをお勧めします。
緊急時対応の際には、どんな端末でも動作し、ITに詳しくない人でも簡単に設定できるものを提供することが求められます。サポートが手厚く受けられ、マニュアルなども分かりやすく作られているリモートデスクトップを選べば、全てのユーザーがスムーズに利用開始できます。
そういった観点でも、スピードが求められる緊急対応時にこそ、企業向けに最適化されたサービスを利用することが重要です。弊社の「Zoho Assist」やTeamViewerのようなマルチプラットフォーム対応のクラウドアプリケーションやUSB型のツールなど、各社からさまざまなサービスが提供されています。
BYODの活用と、セキュリティとサポートのしっかりしたリモートデスクトップ環境の迅速な導入が、緊急時のスムーズなテレワークへの移行の鍵となり、ビジネスの停滞を最小限に食い止められるかどうかの分岐点となります。
- 中沢仁
- ゾーホージャパン Zoho事業部 事業部長
- 国内独立系ソフトウェアベンダー(ISV)で中堅中小企業と大企業を対象に10年間従事。2010年、ゾーホージャパン入社。Zoho.comサービスの日本国内での啓蒙と販売に従事