Stack Overflowの調査によるとRustは、開発者が「最も愛する」プログラミング言語の座に4年連続で君臨している。しかし、「Rust」プロジェクトは開発者や組織の間で普及していく上での障壁が存在していることを認めている。
Rustの普及を阻む障壁が見え始めたStack Overflowの2019年1月の調査によると、開発者はRustについて好意的な評価を下しているものの、最もよく使用している言語だと答えたのは3.2%にとどまったという。
Rustのメンテナンス担当者らは、世界各国の開発者ら4000人弱を対象とした年次調査を実施し、その普及を阻む原因を探った。回答者のうち、フルタイムでRustを使用している開発者のほとんどは、ウェブアプリケーションのバックエンド側や、分散システム、組み込みシステムに携わっているという。
Rustの使用をやめた理由で最も多かったのは、自社で使用されていないというものであり、それが普及の障害になっていることがうかがえた。
他の理由としては、学習曲線の険しさや、必要なライブラリーの欠如、統合開発環境(IDE)サポートの不足が多く挙げられていた。
同言語の普及を促進する上でRustプロジェクトができることとして最も多く挙げられていたのは、訓練とドキュメントの充実であり、その後にはライブラリーの充実、IDEの統合、コンパイル時間の短縮が続いている。
同プロジェクトは「Rustの成熟、すなわちライブラリーの充実や学習リソースの完備、開発環境の強化によって、同言語はより魅力的なものになるという意見を多くの回答者が述べた」と述べている。
Rust開発者が使用している開発環境で最も多かったのは、Microsoftの「Visual Studio Code」であり、その後に「Vim」とJetBrainsの「IntelliJ IDEA」が続いている。
また、Rust開発者の半分強は、同言語をLinuxシステム上で使用している一方、4分の1弱は「Windows」上で、そしてほぼ同数は「macOS」上で使用しているという結果になった。
同調査は、開発者の学習曲線に関する問題についても踏み込んでいる。Rustユーザーの37%はその使用後1カ月以内に生産性の向上を実感している一方で、21%は依然として生産性の違いを感じられないと回答している。
調査レポートは、「この結果は、Rustの普及を妨げている最大の要因がその採用にあることを示している。そして、学習曲線は依然として難題となっている。最も必要なのは『中級ユーザー』に対するフォローの強化だが、ライブラリーとツールについても同様だ」と結論付けている。
明るい点に目を向けると、Rustを毎日使用しているという回答は前年の25%弱から27.63%に増加し、毎日あるいは毎週使用しているという回答は前年の66.4%から68.52%に増加している。
また、Rustを使用しているという回答は、前年の75%から82.8%に増加している。そして、過去にRustを使用していたが現在は使用していないという回答は、前年の8%から7.1%に減少している。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。