デルテクノロジーズ(デル、EMCジャパン)は、2月に発表した「IT投資動向調査2020」について、中堅企業におけるサーバー仮想化の実態を追跡調査した結果を明らかにした。
IT投資動向調査2020は、従業員100~1000人未満の国内中堅企業1300社を対象に実施したもの。調査内容は、企業動向、IT動向、セキュリティおよびリスク対策状況、働き方改革の進ちょく状況、製品/サービス、デジタル化の全55項目にわたる。今回からデジタル化に関する設問が追加された。
サーバー仮想化については、3割の企業がサーバーの仮想化を実施していない状態だという。調査によると、サーバー仮想化を未実施の中堅企業は30.8%に及ぶ。社内にIT担当者が1人しかいない“ひとり情シス”企業だと43.9%になる。
ただ、ひとり情シス企業においては、2017年のIT投資動向追跡調査から仮想化未実施の企業が11.1ポイント減少しており、IT人材がひっ迫する中で、ハイパーコンバージドインフラ(HCI)を含むインフラの集約化・運用/管理の自動化を求める実態が見て取れるという。
中堅企業におけるサーバー仮想化の実態
サーバー仮想化を導入する際の課題にも変化が見られる。仮想化導入のハードルでトップとなっているコストは、2017年調査の42.0%から39.4%と2.6ポイント減少した。
この点について、広域営業統括本部 中部営業部兼西日本営業部長 木村佳博氏は「HCIが技術的に枯れてきたことに加え、サーバーノード数の少ない構成が可能になるなど、初期費用を抑えられる要因が増えた。これがひとり情シス企業における仮想化推進の一端を担っている」との考えを示した。
サーバー仮想化の活用企業は未活用企業と比べて、「ビジネスの急激な変化に対応できる体制が整っている」「積極的なIT投資を進める姿勢を示す」「多様化する働き方を受け入れる業務基盤を整備する」「予期せぬ海外展開に柔軟に対応できるインフラを整備する」「インフラ基盤のクラウド化を進める変化の途上で仮想化に取り組む」といった傾向が見られるとしている。木村氏は「仮想化基盤の構築は競争力ある企業の第一歩」と強調した。
サーバー仮想化の活用実態
デルでは、中堅企業のサーバー仮想化への移行を統合的に支援する施策を展開。「VMware vSAN」とUPS(無停電電源装置)を組み合わせた環境構築や「Azure Stack」「VxRail」といったHCIアプライアンスの導入支援をパッケージで提供する。まとまった予算を取れない企業に対しては、「Dell Financial Service」で初期費用を2年で平準化するプログラムを用意する。
中堅企業を対象にした「バーチャルオープンオフィス」も開設した。3~4月にかけて既に2回開催されており、計1059社が参加した。仮想化をテーマにしたライブセッションやVMwareエンジニアによるチャット形式の質疑応答などが行われた。さらに、VMwareエンジニアによる技術勉強会もオンラインスクール形式で4月に開始された。vSphereの機能や運用の勘所を学習できる座学・ハンズオンの講座が用意されている。
デルテクノロジーズが提供するサーバー仮想化の支援策