日野皮フ科医院は、福岡県福津市で1985年に開業した医院。同医院は、新型コロナウイルス感染拡大への対策として、ゾーホーが提供する統合パッケージ「Zoho One」に含まれるオンライン会議システム「Zoho Meeting」などのアプリケーションを活用することで、オンライン診療を迅速に実現させた。
同医院では、2017年に顧客管理システム「Zoho CRM」など、約45種類のアプリケーションが一体となったZoho Oneを導入した。Zoho Oneについて、同医院は他社のサービスと比較してアプリケーションが豊富で、しかも月々のランニングコストがリーズナブルだったことや、カスタマイズが容易に行えることを評価している。
新型コロナウイルスの感染が深刻になり始めた3月中旬頃から、Zoho Oneを使ってオンライン診療システムを構築した。ITエンジニアのような特別なスキルもいらず、既存のアプリケーションを組み合わせるだけで、容易にシステムを構築することが可能となった。
オンライン診察システムでは、申し込みフォームをクラウド型アンケートシステム「Zoho Survey」 で作成している。それらの情報はZoho CRMのデータベース内の情報と関連付けられており、診療日が決まればオンライン診療のスケジュールが登録され、患者にはメールで日時やアクセス先のURLが自動送信される。実際の診療は、オンラインウェブ会議システム「Zoho Meeting」を通じて行い、診療後の薬の受け取りは、薬局にファクスで処方せんを送信し、患者が薬局に取りに行く仕組みとなっている。診療費はPayPalアカウントと患者の情報をZoho Oneで連携させ、クラウド型会計システム「Zoho Books」で請求書を発行し、PayPalを通じて支払いが行われている。
これらのシステム導入はリピート率の増加に大きく貢献しているという。患者からは「リマインドメールをもらえるので、予定を忘れずに済み助かっています」という声が数多く寄せられ、当日のキャンセルも減少した。Zoho CRMの活用により患者にフォローメールを送信するなどアフターケアが行えるようになり、その業務を自動化できている。こうした施策を進めた結果、美容皮膚科ではZoho CRMの活用前と比べて2倍以上の売り上げを実現したという。