あいおいニッセイ同和損保は、災害対応プロセスにRPA(ロボティックプロセスオートメーション)ソフト「UiPath」を本格導入し、事故受付・登録業務を中心とした災害対応にかかる工数を40%削減した。同社は、100台以上のロボットを導入し、災害対応力の強化、初動対応の迅速化により顧客満足度の向上を実現している。
同社は顧客体験価値の向上と業務生産性の向上に取り組んでいる。一方、2018年ごろから頻発する大規模自然災害に伴い、業務負荷が爆発的に増大している。例えば、2018年の台風21号では損害保険の支払対象案件が12万件に達し、それ以前の案件の5倍以上を記録した。
そこで同社は、損害サービス部門のコア業務である「事故受付−事故登録−保険金支払い」という業務フロー全体に、UiPathの自動化技術を適用することにした。具体的には、災害発生時にボトルネックとなっていた、顧客から電話・ウェブ・代理店経由で届く情報を手作業でシステム入力する業務を自動化した。
UiPathの導入により、膨大な案件に高効率かつスピーディーに対応する体制を整えることができ、従来40〜50人を要していた業務が最少4人で対応可能になった。さらに事故登録に携わっていた100任以上のスタッフを半減させ、注力すべき「お客さまの安心につながるサービス」「お客さま満足度を高めるためのサポート」への人員の再配置が可能となった。
また損害サービス部門に加え、同社の経理部門では、全国の営業拠点で発生する膨大な数の精算書の処理プロセスにUiPathを活用している。2019年度には、入金明細・債権データの収集、精算状況の調査、報告内容の確認、データの消し込みなどを自動化したことにより、約3万9000時間の工数が削減された。