IDC Japanは、日本企業におけるAI(人工知能)システムに関するユーザー調査の結果を発表した。AIシステムを全体的に利用している企業は16.0%で、2019年2月の前回調査から3.7ポイント上昇し、利用していない企業は同4.0ポイント減少して8.2%だった。
調査でのAIシステムの定義は、「推論と学習を通じて自己修正するシステム」としている。同社は、3月にアンケートを実施し、524社から有効回答を得た。
AIシステムの利用状況(出典:IDC Japan)
AIシステムを利用している企業での目的は、「品質管理」が15.0%で最多だった。AIで製品やサービスの仕様外の変更を認識したり、品質目標外の検出や助言を行ったりする用途だろうと同社は想定する。特にプロセス型/組み立て型製造などの業種でこの利用が多いという。2番目に多いのは13.4%の「ITオートメーション」、3番目は10.0%の「高度なプロセスオートメーション」と「自動顧客サービスエージェント」だった。
AIシステム導入時の課題では、上位5つに意識されているもののうち、「IT環境が複雑」が2.8ポイント増の17.0%、「スキルと人材が不足」が7.3ポイント増の11.5%だった。これは、AIシステムの活用が企業全体で進み、事業活動との関連が一層進み始めている中でのAIシステムの継続的利用に関する課題を示す可能性があるという。
AIシステムの利用目的状況(出典:IDC Japan)
同社 ソフトウェア&セキュリティ リサーチマネージャーの飯坂暢子氏は、調査結果について、AIシステムの継続的導入の視点から企業資産としてハイブリッドにAIの最新技術と人的リソースを形成し続けることが重要と指摘している。