IDC Japanは5月14日、国内エンタープライズIT市場予測を発表した。2020年は3月末時点の状況を踏まえ、新型コロナウイルス感染症の影響で企業のIT投資が抑制されるが、テレワークや事業継続、デジタルビジネスの強化などのクラウド投資が活性化するため、前年比0.2%増の10兆8357億円を見込んでいる。
2019年は前年比4.4%増の10兆8190億円だった。2018年に続いて企業の好業績を背景に多くの企業が活発な新規投資を行い、Windows Server 2008のサポート終了、改元や消費税増税への対応に伴う特需もけん引したとしている。
国内エンタープライズIT市場クラウド関連 売上額予測、2019年~2024年(出典:IDC Japan)
また、2019~2024年の年間平均成長率は3.4%で、2024年の市場規模を12兆7665億円と予測する。企業がクラウドを優先的に検討する「クラウドファースト」戦略を実行するようになり、2023年にクラウド関連の売上額割合が50%を超えるという。
さらにクラウド導入の目的も、新型コロナウイルスによって事業の継続や効率化から、デジタルトランスフォーメーションやデータ駆動型のビジネスに変化することに変わり、今後はその動きが加速していくと予想している。