これまで、Holmesが考える契約マネジメントの全体像や構成する重要な要素、実現するための「ホームズクラウド」を紹介してきた。
Holmesが考える契約マネジメントは、ある特定の理想像が定まっているわけではない。
企業によって取り扱う契約の類型も違えば、契約本数も異なる。同じ部署名であっても、その部署の業務範囲も違ってくる。したがって、企業ごとに最適な契約マネジメントの姿は異なって然るべきであり、大事なことは企業ごとの「あるべき姿」に至るためにどのようなプロセスをたどれば良いかということである。
今回は、ホームズクラウドの概要を改めてまとめた上で、Holmesがどのように各企業の最適な契約マネジメントの姿を実現する支援をしているのか、そのプロセスの一端を紹介する。
契約をシステム化するホームズクラウド
Holmesが提供するホームズクラウドは、契約マネジメントの実現のために設計されている。
契約マネジメントにはいくつかの重要な要素があることは述べてきたが、これをシンプルに要素分解すると2つに分かれる。「契約プロセス構築、管理」と「契約書管理」だ。ホームズクラウドは、この2つの要素を兼ね備えたプロダクトになっている。
ひとつの契約書が生まれてから締結、管理に至るまで、契約の主管部署以外にもさまざまな部署の人間が契約プロセスに関わってくる。ホームズクラウドは、そのような契約プロセスを一気通貫でこなすことが可能だ。さらに、必ずしも契約書には紐付かない“相談ごと”のやり取りもできる。定型化したナレッジは、さまざまな形で活用することができ、企業全体の契約に対するリテラシーを高め、契約プロセスそれ自体をより洗練させていく。このように、契約の“プロセス”を扱うのに長けているのがホームズクラウド最大の特徴だ。
また、近年はビジネススピードの高速化とビジネス自体の複雑化により、部署間での情報連携がより重要な地位を占めている。ホームズクラウドは、複数部署での横断的なシステム利用を前提としており、各部署によって最適な契約の取り扱いができるように設計できる。契約のライフサイクルについても好きな形で管理が可能だ。
多様な契約管理ができる(出典:Holmes)
このように、契約書管理の側面から見ても、ホームズクラウドは企業に合わせた柔軟な管理体制を実現できる。
システム導入の際の問題点
しかし、これはホームズクラウドに限った話ではないが、システムはただ導入すれば良いというわけではない。あくまで人が使うのであって、そこには必ずオペレーションが存在する。現状のオペレーションをそのままシステムに載せただけでは、ただ電子化しただけで抜本的な問題解決にはなっていない。
例えば、企業によっては契約の稟議、決裁と、押印の稟議、決裁が分かれており、ひとつの契約について複数回の承認フローが回ることがある。これは、契約をそもそも進めてよいのかの決裁権限を持つ部署と、紙の契約書に特有の「はんこを契約書に押す」業務の主管部署が異なっていたり、社内で情報共有をするためにやむを得ず行っていたりするなど、さまざまな理由で起きている現象だ。もちろん、それぞれに独自の意義があることは間違いない。
だが、契約の検討段階から締結、管理までのフロー全体をシステムに載せることで、実は承認フローを一本化しても問題がなく、むしろ業務効率化につながるということはよくある。
オペレーションの見直しは稟議に限った話ではなく、契約業務の各プロセスにおいてよく考えなければならない問題だ。現状のフローをただシステムに載せただけでは、生産性向上も限定的なものにとどまってしまう。ビジネススピードの加速が止まらない今だからこそ、こうした部分での効率化や生産性向上は、見えないところで事業成長の鍵になっているのだ。