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最適な契約マネジメントとは--電子化だけで終わらない、プロセスの見直しを - (page 2)

酒井貴徳 (Holmes) 須貝崇史 (Holmes)

2020-05-27 07:00

契約プロセスを見直す--真の契約マネジメント実現のために

 Holmesでは、この点を重く受け止め、契約プロセスの見直しも含めて提案をすることがある(従前はホームズクラウドを使う前提の内容であったが、先日この部分を取り出してコンサルティングサービスとして提供する新サービスを始動している)。もちろん、複数部署にまたがる問題であるゆえ、調整にかけられるリソースが当面は確保できないという理由で、ひとまず現状のフローをできるだけ維持したまま契約管理の電子化や電子契約の導入をする企業も多い。一方、システム導入を生産性向上のチャンスと捉え、オペレーションも含めて全社的な改善を目指す企業も存在する。

 このような場合に重要なのは、現状の分析とプロセス一つひとつの趣旨の深堀り、システム導入に伴って省力化できる可能性のあるオペレーションを見極め、新しいフローを構築し、それをシステムに統合して実行することだ。

 特に、今後しばらくは紙と電子の契約が併存することは避けられないだろう。なぜなら、電子契約は相手方に同意してもらって初めて使える手段であって、自社都合のみで実行できないからだ。もちろん、できるだけ相手方に電子締結にのってもらうためのノウハウなども存在するが、全ての取引先が応じてくれるわけではない。そのため、社内オペレーションも紙/電子のフローが混在することになる。このような状況を前提にオペレーション構築を進めなければならない。

 そのために、現状の契約プロセスを関係部署からヒアリングし、システムを入れて契約業務を行うとすれば、どんなオペレーションが考えられるかを検討していく。企業によっては早急に契約の電子化を急ぐ部署も存在するため、特定部署での電子締結を皮切りとして、他部署に横展開していく、拡大に伴った契約管理基盤の構築を段階的に進めていくといった方法もある。実際にオペレーションを回してみて初めてわかる部分もあるため、いくつかのステップに区切って導入を進めていくのは、ある程度規模の大きい企業では有効な施策のひとつである。

 ポイントとなるのは、各プロセスが存在する趣旨に遡ることだ。「なぜこのプロセスは存在するのか」という背景事情まで突っ込んで検討してみると、システムを導入すれば省くことができたり、すでに形骸化していて本来は必要のないプロセスであることが判明したりする。

 これらの検討に基づいて新しいフローを構築し、実際のオペレーションとして回していく。そうすると、「ここはもっと省力化できる」とか、逆に「ここのプロセスはコンプライアンス上重要だから省かない方が良い」などの議論ができるようになる。ここでの実証結果をもとに、さらなる改善をかけたり、他部署へ展開したりすることが容易になるという流れだ。

 こうした施策は、さまざまなところに影響を及ぼすだけに負担もかかる。しかし、一度改善の歯車が回り始めれば、契約業務の負担は次第に軽くなり、より本質的な業務に時間を割くことができるようになる。企業の健やかな成長を目指すのであれば、契約マネジメントの実現は、間違いなく取り組むべき施策だ。

まとめ

 総まとめとなる今回は、Holmesが実現しようとする契約マネジメントの実現プロセスの一端を紹介した。これまでの連載で、契約マネジメントを実現するための方法が少しでも伝わっているだろうか。

 契約の領域は、企業が扱うモノの中で最後まで変革の波から置き去りにされてきた対象だ。しかし、その「契約」に対しても、変革の波が来ているのは間違いない。本連載で契約マネジメントの考え方が伝わり、少しでも日本企業の契約領域の変革が進めば、これほど幸いなことはない。

酒井 貴徳
Holmes CEO室 室長

日本、ニューヨーク州で現役弁護士を務める。2009年に東京大学法科大学院修了後、2010年に弁護士登録(第2東京弁護士会、63期)。2011年から、西村あさひ法律事務所でM&Aやスタートアップ支援を担当。その後、アメリカへ留学。2018年にバージニア大学ロースクールを卒業し、ニューヨークの法律事務所 Debevoise & Plimpton LLPに勤務。2019年、ニューヨーク州弁護士登録。帰国後の2019年9月にHolmes入社。事業戦略の策定や組織構築、ファイナンスや提携など、事業を成長させるための業務に従事している。
須貝 崇史
Holmes CEO室 兼 フィールドセールスグループ

中央大学法科大学院卒、2019年に司法試験に合格。Holmesでインターンを経験したのち、司法修習の道を選ばずにそのまま正社員として入社。 ベンチャー、スタートアップ企業のサービスを独自の視点で分析、考察するブログ「Startup Labo」を個人で運営。

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