NECとNECソリューションイノベータは、保育園の入園選考の業務効率化を目的に、人工知能(AI)が選考業務を支援するマッチングシステムを開発した。

マッチングの流れ(出典:NEC、NECソリューションイノベータ)
このマッチングシステムでは、自治体の職員が保護者からの申請書を基に、入園を希望する保育園や家庭状況などをシステムに入力し、AIが市の定める配点基準や優先順位、兄弟姉妹の同一保育園への入園希望など、複雑な条件を組み合わせて児童に保育所を割り当てることで選考する。
両社は2019年7月~2020年2月、山形市の協力のもと実証実験を実施。その結果、従来の人手による選考結果と99.3%一致し、選考業務時間の約9割を削減できると実証した。実際の選考業務では、職員が家庭状況や細かな希望などに配慮して複雑な判断をすることが必要とされる。そのため、同システムは選考過程や結果に至った判断根拠を可視化し、人間と共同で作業する。実証実験では、複雑な判断を必要とする約3%の選考を山形市の職員が確認・承認した。

AIの判断根拠が分かるレポート画面(出典:NEC、NECソリューションイノベータ)
NECソリューションイノベータは、同実証での実績やノウハウを生かし「NEC 保育園AIマッチングシステム」として5月に製品化した。 また同システムは、地方自治体の福祉サービスを支援するNECの「GPRIME 福祉総合システム」とも連携することができる。