デルとEMCジャパンで構成するDell Technologiesは5月14日、次世代ミッドレンジストレージ「Dell EMC PowerStore」を発表した。DellとEMCの統合後、初めてゼロから開発したストレージ製品となるPowerStoreは、従来のミッドレンジストレージアレイと比較して、7倍のスピードと3分の1のレスポンスタイムを実現できるという。
CPUや搭載メモリー容量に応じて5つのラインアップを用意。税別価格は最小構成で12カ月のオンサイト保守サービスを含めて880万円~(後述するプロモーション適用時)。5月14日からデルとEMCジャパン、そして両社のビジネスパートナーから提供を開始する。

EMCジャパン MDC事業本部 事業本部長 遠井雅和氏
EMCジャパン MDC事業本部 事業本部長 遠井雅和氏は、PowerStoreについて「データ中心の時代に適した設計。従来および最新のワークロードに対応する」と特徴を語った。また、保証プログラム「Dell EMC Future-Proof Program」を拡張し、いつでもインフラストラクチャーをアップグレードできる「Anytime Upgrade」の提供も開始する。
PowerStoreは(1)データ中心型(2)インテリジェント(3)順応性――という3つのキーワードを主体としてDellとEMCが開発したミッドレンジストレージ。順番にその特徴を紐解きたい。
(1)のデータ中心型の文脈で見ると、ブロックアクセスのFibre Channel(FC)やiSCSI、ファイルアクセスのNFSやSMB、仮想マシン(VM)単位でストレージにアクセスする「VMware vSphere Virtual Volumes」(VVols)をサポートする。将来的にはNVMeネットワークプロトコルをEthernetとFCに拡張したNVMe-oF(over Fabrics)への対応も予定している。
コンテナベースのOS「PowerStoreOS」を乗せた2ノードがアクティブ/アクティブ構成で動作し、エンドトゥエンドのVNMeで遅延を軽減。ストレージには、SCM(ストレージクラスメモリー)であるIntel Optane SSDをサポートすることで、7倍の高速化と3分の1の遅延(レイテンシー)低減を実現したという(Dell EMC Unity XTと比較した社内テスト結果)。
PowerStoreは拡張性も富んでいる。最小構成は25本のドライブをノード1/2で運用するが、拡張エンクロージャーを用いるとアプライアンスあたり最大2.8PBまで拡大可能(有効容量は4:1 DRRを想定)。クラスターを組んだ場合、最大4アプライアンス/8ノードの構成を可能とし、その際のストレージ容量は最大11.3PB(同)となる。