Microsoftは、以前からWin32のアプリとUMP(Universal Windows Platform)アプリの断絶を埋めるための取り組みを進めているが、今年の「Build 2020」では、その取り組みをめぐる戦略にコードネーム(「Project Reunion」)が与えられることになった。
米国時間5月19~20日にかけて開催されているBuild 2020では、この計画の最新情報が説明された。Windows Developer Platformチームは、まず2つのコンポーネント(「WinUI 3」と「WebView2」)のプレビュー版をリリースする。2019年の秋頃からアルファテストが行われているWinUI 3は、Windows 10用のモダンなネイティブUIフレームワークで、WebView2はウェブコンテンツをWindowsアプリに組み込むための仕組みだ。関係者によると、これらのコンポーネントは、どちらも2020年末までに一般提供(GA)が開始される予定になっている。
Microsoftは、この2つのライブラリーをオープンソースとして公開し、開発者が自由にこれらのコードを自分たちのコードに取り込めるようにする。またWindows Developer Platformチームは、GitHubを通じて、開発者から次にReunionに取り入れてほしいライブラリーへのリクエストを募る。
(Reunion戦略のターゲットはPCだけのようだ。Microsoftは、「HoloLens」や「Windows IoT」デバイスを含むあらゆるWindows 10ベースのデバイスを対象としたアプリケーションを作れるようにするという、UWPの中心的な理念を追求していないようにも思える)
2020年のBuildでは、ほかにもいくつかのWindows関係のニュースが発表された。Microsoftは、法人向けの「Windows Terminal 1.0」の提供を開始している。このソフトウェアは5月19日から「Microsoftストア」で入手可能になっており、GitHubのリポジトリから手動で入手することもできる。
また同社は、「Windows 10 2004」で提供される「WSL」(Windows Subsystem for Linux)にさらなる改良を加えることも明らかにした。GPUを使用したワークロードに対応する予定で、この機能は並列計算や機械学習と人工知能(AI)のモデルのトレーニングを行うような場面で重要になる。また、サードパーティーのXサーバーに頼らずに、LinuxのGUIアプリを直接実行できる機能をサポートする。さらに間もなく、「wsl.exe --install」コマンドを実行するだけで、簡単にWSLをインストールできるようになるという。
「PowerToys」に「Keyboard Remapper」と「PowerToys Run」の2つのユーティリティーが追加されることも明らかになっている。また、開発者が好きなツールを簡単にインストールできるようにするためのコマンドラインインターフェースである、「Windows Package Manager」のプレビュー版も発表された。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。