Microsoftは、オープンソースのターミナルアプリケーション「Windows Terminal」の開発に着手してから約1年後にあたる米国時間5月19日、そのバージョン1.0をリリースした。
「Build 2019」でWindows Terminalを発表していた同社は今回、オンラインイベントとして開催中の「Build 2020」で「Windows Terminal 1.0」のリリースを発表した。このアプリケーションは、「コマンドプロンプト」や「PowerShell」「Azure Cloud Shell」のほか、「Windows Subsystem for Linux」(WSL)の各種ディストリビューション(「Ubuntu」など)を使用している開発者向けの製品だ。
同社はバージョン1.0のリリースを機にその公式ドキュメントを提供した。なお、Windows Terminalには、複数のタブやペインからさまざまなコマンドラインアプリケーションを同時に実行できるという特長がある。
また、GPUアクセラレーションによってテキスト描画が高速化されている上、UnicodeとUTF-8がサポートされているため、絵文字も描画できる。
同社は、ユーザーがWindows Terminalを自分好みのルック&フィールにカスタマイズできるような機能を追加してきている。例を挙げると、アクリル効果を加えた背景や、さまざまなカラースキーム、カスタムフォント、カスタムキーバインディングなどだ。
同社は7月からWindows Terminalの月次アップデートを実施していく。また、Windows Terminalのプレビューチャンネルを開発者向けにローンチし、最新機能をテストできるようにする。このプレビューは6月から月次でアップデートされる。
Windows Terminal、Console、Command LineおよびCascadia Code担当プログラムマネージャーのKayla Cinnamon氏は発表の中で、「このチャンネルは、Windows Terminalの開発プロセスに関わりたい人や、開発された最新機能をすぐに使いたい人のためのものだ」と記している。
Windows Terminalのリリース1.0には、安定版ビルドの「WindowsTerminal」と、プレビュー版ビルドの「WindowsTerminalPreview」という2つのパッケージが含まれている。なお、プレビュー版と安定版は同一環境にインストールすることもできる。
なお同社はこれまでに、「Windows 10」搭載PC上でWSLを使用している開発者向けに頻繁に新機能をリリースしてきている。最近も、Windows 10上のLinuxファイルに「Fileエクスプローラー」から容易にアクセスできるようにする統合を実現している。
またMicrosoftは今回のBuildカンファレンスで間もなく、Windows上のLinuxゲストがGPUのハードウェアアクセラレーション機能を利用できるようになるとともに、LinuxのGUIアプリケーションがWSL上で実行できるようになると発表した。
さらに同社は、Windows Terminalのコマンドラインで「wsl.exe --install」というコマンドを実行するだけで、Windows Terminalから簡単にWSLをインストールできるようにしようともしている。これによりリスタート時に自動的に特定のWSL Linuxディストリビューションがダウンロード、インストールされる。Windows 10の「Windows Insider」プログラムで「Fast Ring」に参加しているユーザーは「今後の数カ月」でこの機能を使えるようになるという。
Windows Terminal 1.0はMicrosoft StoreおよびGitHubのリリースページからダウンロードできる。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。