これらの選択肢ができたことで、Cosmos DBの価格対効果が改善され、より多くの開発者が魅力を感じるようになるはずだ。その多くは、これまでCosmos DBが想定していた、地理的な分散性が特に重視されるケースよりも、小規模なワークロードしか利用しない開発者だろう。今やCosmos DBは、「あらゆる規模で利用できる、オープンなAPIを持った高速NoSQLデータベース」という位置づけの製品になりつつある。
これはMicrosoftが、Cosmos DBを大規模でグローバルなウェブスケールアプリケーションに対応できる一方、ずっと小規模なアプリケーションでも高い費用対効果で利用できる、開発者が使いやすいNoSQLデータベースに仕上げようとしているということだ(もちろん、Amazonの「DynamoDB」が念頭にあることは明らかだ)。また、Cosmos DBのJava SDKバージョン4も利用できる。Javaエコシステムの多くの開発者にとっては、Cosmos DB関連のプログラミングがこれまでよりも大きく合理化され、簡単になる。変更フィード機能(削除機能など)や、ポイントインタイムバックアップ・リストア機能も、開発者にとっては嬉しいもののはずだ。
Cosmos DBの新機能などは、近く提供される。
オープンソースデータベース
発表があったのはCosmos DBだけではない。同社が提供しているオープンソースリレーショナルデータベースサービスのうち2つ(Azure Database for MySQLとAzure Database for PostgreSQL)にも新機能が発表された。
どちらのプラットフォームにも、「Azure Active Directory」による認証機能、「Azure Private Link」、3年間予約インスタンス向けの価格設定が追加されており、いずれもすでに一般提供が始まっている。さらに6月には、顧客が管理する暗号鍵(「BYOK」)を使用して保存データを暗号化する機能がプレビュー版としてリリースされる。またDatabase for PostgreSQLには、さらに2つの機能が追加される。wal2jsonによる論理デコード関連機能(プレビュー版リリース済み)と、「Azure Database Migration Service」を利用したAzure Database for PostgreSQLの「Hyperscle」への移行機能(一般提供開始)だ。
エッジへの展開
Buildでは、「SQL Edge」のパブリックプレビューが開始されたという発表もあった。2019年のBuildで「Azure SQL Database Edge」という名前で発表されたこの製品は、Armプロセッサーベースのデバイスを含む、小型のエッジデバイスで動作させることをさせることを前提としたデータベースエンジンだ。SQL Edgeでは、「Azure Stream Analytics」と同じ構成を用いて構築されたストリーミング機能が利用できる。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。