非常事態こそ重要な“従業員体験”--エンゲージメント向上で自ら努力 - (page 3)

尾羽沢功 (シトリックス・システムズ・ジャパン)

2020-05-25 06:30

 また、従業員自身もまた努力が必要なのではないかと思います。テクノロジーを提供するだけでは足りず、一人ひとりがそれを使いこなし、自分の武器にすることです。これが生産性を高める足固めになるのではと考えます。提供されているテクノロジーを自分のものにする、使い方を従業員同士で交換する、そんな動きが至るところで聞こえるようになっています。

 そして、テクノロジーを使いこなす従業員は、自律的な働き方を必要としています。会社に出社していると、通勤というリズム、昼休み休憩、出勤時間、退出時間という制約の中で働いています。

 テレワークは、自分のルールの中でどう成果を出すのかが試されています。いかに自分で規律を保つのか、従業員自身の発想の転換が求められていると思います。これは、働くという概念を根本的に変え、企業が持続可能な競争優位性を獲得することにつながると考えます。

*****

 自らの従業員の業務進捗に配慮し、それを維持することのできる企業には極めて大きなメリットが生じます。ビジネスレベルにおける生産性は、個々の従業員による進捗を足し合わせたものです。

 安全、業務進捗、ウェルビーイングなどを通じて従業員への配慮を示せば、従業員からは解決不可能に見える問題に対しても解決手段を発見し、このような時期においても企業を維持するためのイノベーションと自発的努力が返ってきます。

尾羽沢功(おばざわ・いさお)
シトリックス・システムズ・ジャパン 代表取締役社長
1982年に高見澤電機製作所(現・富士通コンポーネント)に営業職として入社、富士通による買収後は富士通コンポーネントのドイツ支社長として赴任。日本ルーセントテクノロジー(現・ノキアソリューションズ&ネットワーク)と日本アバイアで取締役 営業本部長職、2005年からSAS Institute Japanで執行役員営業統括本部長、2013年からインフォアジャパン代表取締役社長を歴任。
2019年4月からシトリックス・システムズ・ジャパン代表取締役社長に就任、日本市場での営業やマーケティング、新規事業開発などを統括している

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