SAPジャパンは5月26日、デジタル時代の人材管理を強化する「HXM(Human eXperience Management)」ソリューションの提供を開始した。SaaS型人事ソフト「SAP SuccessFactors」とSaaS型従業員エクスペリエンス管理ソフト「Qualtrics EmployeeXM」を中核に、新たに発表したパートナー企業9社のソリューションを組み合わせて提供していく。
昨今の労働市場や働き方はかつてないほど変化しており、今後ますます加速していくと予想される。例えば、日本の生産年齢人口は2020年から2035年にかけて1000万人が減少する見通しとなっている。また、外国人労働者や男性育休取得、リモートワークの増加など、労働者や労働環境が多様化しつつある。
そうした中、「全ての働く人の一人ひとりの活躍が日本経済のカギになる」とオンライン会見に登壇したSAPジャパン バイスプレジデント 人事・人材ソリューション事業本部 本部長の稲垣利明氏は話した。
同社が掲げるHXMとは、「企業活動にかかわる全ての働く人が、最高のパフォーマンスを出し、企業の継続的な成長につなげられるよう、あらゆる業務において最高のエクスペリエンスを提供し、働く人の声を聞き、改善し続けることのできる新しい人材マネジメントのコンセプト」と説明する。
HXMの概要
このコンセプトを実現するためのソリューションの一つがSuccessFactorsになる。人事・給与、目標・評価、採用管理、勤怠管理、キャリア開発などの人事業務に必要なシステムをクラウドで提供する。日本では350社以上の企業が導入しているという。
もう一つは、2019年に買収したQualtricsのEmployeeXMである。EmployeeXMは、アンケートなどをもとに従業員の声を収集・分析し、改善ための施策実行を支援するツール。HXMの狙いは、SuccessFactorsに蓄積された社員属性や業務成績などの情報と、EmployeeXMで収集したエンゲージメントに関する情報を組み合わせることで、「従業員全員が最高の成果を生み出せる環境を提供する」(稲垣氏)ことにある。
また、企業のニーズに応じて、下記のパートナー企業の人材関連ソリューションを組み合わせ、HXMソリューション事業を展開していくという。
- ドキュサイン・ジャパン:紙による署名・捺印プロセスを完全に電子化する電子署名ソリューション「SAP Signature Management by DocuSign」を提供
- オープンテキスト:デジタル文書作成・管理ソリューション「SAP SuccessFactors Extended Enterprise Content Management by OpenText」を提供
- Kronos Incorporated:就業管理/勤怠管理のソリューション「SAP Time Management by Kronos」を提供
- ServiceNow Japan:社内の手続きを全てデジタル化し一元管理できるデジタルワークフローを提供
- WalkMe:デジタル技術の定着化を支援する「WalkMe for SAP SuccessFactors」を提供
- イノービア:人材スキル管理ツール「SKILL NOTE」を提供
- ZENKIGEN:ウェブ面接サービス「HARUTAKA(ハルタカ)」を提供
- Slack Japan:従業員や入社内定者など社内外のメッセージプラットフォームとなる「Slack」を提供
- ヴァル研究所:経路検索サービス「駅すぱあと」を提供
パートナー企業9社