2020年モデルの特徴としてレノボ・ジャパンは、通信機能の充実度を掲げた。
X1 Carbon Gen 8やX1 Yoga Gen 5、T15 Gen 1、T14 Gen 1、T14s、X13、X13 Yoga Gen 1は「Wi-Fi 6(802.11ax)」をサポートする「Intel Wi-Fi 6 AX201」をワイヤレスモジュールとして採用する(他の機種は「Intel Wi-Fi 6 AX200」)。Eシリーズを除く機種ではLTEモデムを搭載可能で、今回のX1シリーズとX/Tシリーズ(Intel版)は「L860-GL」で下り最大1Gbpsを実現する「LTE Cat.16」に対応した。他のモデルは「LTE Cat.9」対応の「L850-GL」を引き続き採用する。
レノボ・ジャパン コマーシャル事業部 企画本部 製品企画部 モバイル製品担当 吉原敦子氏。タッチ対応ディスプレイ「ThinkVision M14t」も参考出展として披露した
昨今のテレワーク需要を踏まえて、ファンクションキーの機能として通信応答や通話終了など、コラボレーション専用キーを実装した。新機能ではないものの、従来機種から内蔵マイクは360度集音に標準対応しており、「X1 Carbonは天板の上部に4つの穴を用意し、集音性を高めている」(レノボ・ジャパン コマーシャル事業部 企画本部 製品企画部 モバイル製品担当 吉原敦子氏)
マイナーチェンジを除けば、7年ぶりの刷新となるトラックポイント キーボード II(同1万4500円)も注目株の1つ。「ThinkPad Bluetoothワイヤレス・トラックポイント・キーボード」の後継機に当たり、新たにBluetooth 5.0と2.4GHzワイヤレスUSBレシーバーによるデュアルワイヤレス接続をサポートする。
前モデルはBluetooth 3.0ベースのためペアリングしたPCとの接続に若干の時間を要したが、Bluetoothデバイスとのペアリングを容易にする「Swift Pair」に対応することで改善した。Windowsに加えてAndroid にも対応しているもの、同時使用はシングルデバイスに限定。USB Type-Cで給電するバッテリー駆動型だが、キー入力を1日3時間、アイドルモードで5時間、1週間5日使用した場合は約2カ月間使用できる。
7年ぶりに刷新したThinkPad トラックポイント キーボード II
レノボ・ジャパンは昨今のテレワーク需要増に対して、「従来のテレワークは、薄型の2-in-1 PCで『いつでもどこでも』だったが、今必要なのは在宅型テレワーク向けPC。移動ではなく自宅で作業するのが、自粛解除後のニューノーマル(新常態)だ」(吉原氏)としてL14 Gen 1をアピールする。
改めて解説するまでもなく、2-in-1 PCは独特の筐体を開発し、設計やパーツ採用に時間を要するので高額になりがちだ。一方で「Lシリーズは性能と価格のバランスがよい」(吉原氏)ため、急遽テレワーク用PCを必要とするオフィスワーカーには選択肢の1つとなり得るだろう。
そこで気になるのがPCの納期だが、安田氏は「新型コロナウイルスの影響で若干生産が滞っていたが、中国の工場を含めてすべて改善した。ただ、ゴールデンウィーク以降はテレワーク需要増に伴い、納期に遅れが発生している」と説明した。2019年はWindows 7のサポート終了に伴うPC需要増があったが、同社は2020年度の見込みについて、テレワーク需要や文部科学省が推進する「GIGAスクール」構想の前倒しを踏まえ、昨年同様の需要を見込んでいる。