本連載では、筆者が「気になるIT（技術、製品、サービス）」を取り上げ、その概要とともに気になるポイントを挙げてみたい。今回は、SOMPOリスクマネジメントなどが提供する中小企業向け「BCPマッチングサービス」を取り上げる。
中小企業向け「BCPマッチングサービス」とは
SOMPOホールディングス傘下のSOMPOリスクマネジメント（SOMPOリスク）は先頃、損害保険ジャパンおよび技術のマッチングサービスを展開するリンカーズと、企業のリスクマネジメントにおけるマッチングサービスの共同開発に向けて協業することで合意したと発表した。
協業の第1弾として、中小企業向け「BCP（事業継続計画）マッチングサービス」の提供を開始した。3社は今後、リスクコンサルティングと保険、マッチングをパッケージにした新たなサービス開発に共同で取り組んでいく構えだ。
中小企業庁が毎年発行する「中小企業白書」によると、国内では毎年、数千社規模の中小企業が倒産や経営不振に陥っている。これは多発する自然災害やパンデミック（感染症の世界的流行）、デジタル化社会における生産性向上の取り組みへの対応の遅れ、後継者不足などが原因と言われている。
こうした社会情勢の中、自社のみで事業を存続させるという経営スタイルから、協業するパートナーを増やし、事業を存続、拡大していく経営スタイルに転換することが必要となりつつある。
SOMPOリスクは自然災害や感染症などの危機時を前提としたBCP策定などのリスクコンサルティングを行っており、損保ジャパンは自然災害による損害や営業利益を補償する保険商品などを取り扱っている。また、リンカーズは企業の技術ニーズをマッチングで解決するサービスを提供している。
こうした背景から、3社は協業することによって、企業が抱える経営上のリスク対策や事業の存続、拡大を支援する新たなサービスを提供していくことにした。
第1弾として提供開始した新サービスは、SOMPOリスクが従来から提供しているBCPコンサルティングサービスの中で、 事業継続のために必要なパートナーを確保する手段としてリンカーズのマッチングサービスを提供するもの。新サービスを通じて企業におけるBCPの実効性の高度化を支援する。表1に示したのが、新サービスの活用例である。
表1:BCPマッチングサービスの活用例（出典：SOMPOリスクマネジメント）
