調査によって約6割のエンジニアが「今後は、技術力だけでは生き残れない」という危機感を持っていることが分かった。変化の激しい時代、プロダクトマネージャー(PdM)はもちろん、エンジニアにもコンサルティング能力が求められている。
この連載は全3回に渡り、ビジネスナレッジの動画学習サービス「グロービス学び放題」などを提供するグロービス・デジタル・プラットフォームの開発マネジメント責任者の末永昌也氏が、PdM・エンジニアが今学ぶべきビジネス知識について紹介していく。スタートアップのCTO(最高技術責任者)を経て、グロービス学び放題初のエンジニアとして入社。経営を学ぶために大学院を卒業した末永氏にとって、「開発者がビジネスナレッジを身につける意味」とは何か? 第1回では、自身の経験も踏まえ、PdM・エンジニアが経営視点を身につけるべき理由について解説する。
エンジニアにも求められるビジネス目線
2019年には「エンジニアリングマネジメント」をテーマとしたカンファレンスが開催されるなど、周囲には「エンジニア×マネジメント」キャリアに関心を持っているエンジニアが多い。
これまでのエンジニアは、与えられた要件通りのものを作ることが多かった。しかし現在、PdMはもちろん、自社プロダクト開発に従事するエンジニアには、技術を高め、要件通りにプロダクトを納品するだけではなく、「いかにプロダクトの価値を高め事業を伸ばしていくか」「いかに組織を導いていくか」という観点が求められる。
そこで学ぶことをお勧めしたいのが、ビジネスの知識だ。外部環境や顧客、自社の強みを分析し、戦略を立てることで、プロダクトを「勝てる」ように作っていくことが、これからのPdM・エンジニアには必須である。
筆者の専門はエンジニアリングだが、経営を学ぶために大学院に通った。大学院で学んだビジネスのリアルなケーススタディーによって、戦略を意識したプロダクト開発ができるようになった。エンジニアにとってビジネスナレッジが有益であった事例として、次項では私自身の学びについてお伝えしたい。