「Windows 10 May 2020 Update」(「Windows 10」の「バージョン2004」)のユーザーへのロールアウトが米国時間5月27日より開始された。
Windows 10のこの新たなバージョンには多くの新機能が搭載されており、ネットワーク状態ページの改良や、タスクマネージャー上でのGPUカードの温度表示、新たな「Cortana」エクスペリエンスなど、その詳細については米ZDNetの記事でも解説している。
しかしMicrosoftによると、バージョン2004ではセキュリティ面でさまざまな強化が図られており、Windows 10ユーザーに対するさらなる保護が実現されているという。
それらの機能を以下に記している。今後も新たな機能が明らかになった段階で適宜伝えていく予定だ。
Windows Sandboxの機能強化
Microsoftは2019年にWindows 10の「バージョン1903」で「Windows Sandbox」を導入した。このWindows Sandboxコンポーネントによってユーザーは、Windows 10の最小構成環境で仮想マシン(VM)を起動できるようになる。Windows Sandboxを用いれば、Windsows 10のホストに悪影響を与える心配なく、危険なアプリを隔離した環境で実行できるため、同サンドボックスはそのリリース以来、企業で普及してきている。
Windows Sandboxコンポーネントの開発はWindows 10のリリース後も継続されており、今回は企業のテスト環境下でアプリの自動化を容易にするための以下のような一連の新機能がロールアウトされた。
- 構成ファイルを通じた、サンドボックスの特性(vGPUやネットワーク、共有フォルダー)設定機能
- マイクのサポート
- 構成ファイルを通じた、音声入力の設定機能
- Shift+Alt+[Print Screen]キーの押下で、ハイコントラストモードを有効にするための「コンピューターの簡単操作センター」を起動する機能
- Ctrl+Alt+[Break]キーの押下でフルスクリーン表示の選択/解除をする機能
Wi-Fi 6とWPA3のサポート
バージョン2004からWi-Fi規格の最新バージョンであるWi-Fi 6と、Wi-Fi接続の認証プロトコルであるWPA3がサポートされるようになった。
どちらの規格にも「DragonBlood」や「KRACK」といった攻撃に対する保護が実装されているため、Windows 10ユーザーはより安全にWi-Fiネットワークに接続できるようになる。
「System Guard Secure Launch」の改良
Microsoftは、「System Guard Secure Launch」のアップグレードにも言及している。これは、デバイスのファームウェアが改ざんされることなくセキュアなかたちでロードされているかどうかをチェックする機能だ。