兵庫県加古川市は、新型コロナウイルス感染症対策として国民1人あたりに10万円を支給する特別定額給付金の配布に業務アプリ構築PaaS「kintone」を活用。
各家庭に郵送する申請書記載の「照会番号」と、スマートフォンなどで撮影した本人確認書類画像、本人名義の口座情報画像の添付でオンライン申請できるシステムを構築したという。6月2日、サービスを提供するサイボウズ(中央区)が発表した。
kintoneと連携するウェブフォームを作成できる「フォームブリッジ」を活用し、市役所職員が申請フォームを数日間で作成。
給付対象者氏名の入力やマイナンバーカード不要で、振込先口座名は一覧からの選択式を採用。誤入力を極力排除したフォームを設計したという。
印字される照会番号はそのままシステムに反映し、自治体の住民情報データと簡単に照合できるとしている。

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申請内容、二重登録の確認などに工数がかかる郵送のみの申請と比較し、事務処理時間は5分の1に短縮。11万世帯がこのフォームから申請した場合、1万8300時間から3700時間になり、迅速な給付につながるとしている。

郵送のみでの申請との比較(出典:サイボウズ)
フォームブリッジは、入力データをkintoneに自動登録するウェブフォームをノンプログラミングで作成できるサービス。ITベンダーのトヨクモ(品川区、旧サイボウズスタートアップス)が提供している。
税別月額利用料6000円の「ライト」、フォーム作成に加えて自動返信メールなどの機能を追加する9000円の「スタンダード」、管理者へメール通知できる1万4000円の「プレミアム」などのプランがある。
加古川市は、サイボウズ、トヨクモなどと新型コロナウイルス感染症対策の一環となる市内飲食店支援事業を4月から共同実施。
フォームブリッジを活用してデータを収集、kintoneに蓄積、データベースを構築し、テイクアウト情報を地域情報サイト「まいぷれ加古川市」の地図上に公開する仕組みを構築している。

市内飲食店支援事業のサービス活用イメージ(出典:サイボウズ)