DELL Technologies傘下のBoomi Japanは6月4日、同社のiPaaS(integration Platform-as-a-Service)について説明会を開催した。コロナ禍でテレワーク導入が急速に進んだが、それを通じたデジタル変革には、システムのデータを計画的に連携することが鍵になると主張する。
Boomi Japanは、テレワーク環境において社内システムのデータを連携した自社の事例を紹介。同社は新入社員に対し、業務用PCの手配や社員証の発行といった「オンボーディング」と呼ばれる入社に伴う各種作業をオフィスで行うが、テレワーク中は在宅で行わなければならない。
そこで、新入社員が行う業務の状況を「pending」「complete」などと可視化し、次に何をやるべきか一目で分かるようにした。また、人事部やマネージャーは新入社員の状況を確認することで、時間がかかっている業務に気付き、フォローすることができる。このようにデータを連携させることで、在宅でもオンボーディングをすることが可能になったとしている。
Boomi Japan プリセールス ソリューション・コンサルタントの中川和芳氏によると、BoomiはiPaaSを開発した最初の会社だという。同社は2000年に設立し、米国ペンシルバニア州に拠点を置いている。そして2007年にiPaaS「AtmoSphere」を開発し、2010年にDELL Technologiesの一員となった。
BoomiのiPaaSでは「ビジネス要件の迅速な実現」を目指しており、開発期間の短縮やコストの削減、リソースの効率化など、高い投資対効果が望めるという。そして投資対効果を向上させるポイントは、3つあるとしている。
まず「Build」「Deploy」「Manage」という3つのプロセスが明確に分離されている分、各プロセスに人員を配置しやすくなる。またツールがグラフィカルで理解しやすく、開発者以外でも使いこなすことができる。そしてライセンス数は、接続対象のシステムとコネクションの数で決まるため、トランザクション数が増えても変わらない。
AtmoSphereには人工知能(AI)が用いられており、ユーザーはAIから提案を受けることができる。例えば、ユーザーに最も利用されているという機能「Boomi Suggest」では、データの領域を基にマッピングを提案する。同サービスはクラウド上にあるので、常に最新のAIを活用することが可能だとしている。

(出典:Boomi Japan)
「iPaaSが注目されているのは、最新のデータ連携方法がクラウドと組み合わさることで、さらにスピーディーかつ使いやすくなったから。その中でもBoomiのiPaaSでは、スピード感を重視するほか、さまざまな機能を提供している。これにより、企業のインテグレーションにまつわるアイデアを支援し、実現させることができる」と中川氏は語った。